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夏休み-105 [花鈴-11]

「千春もいるから舞い上がったりしないさ。」
「千春さんってお兄ちゃんの彼女なの?」
「いや、そんな関係ではない、四月に移住して来た子だから気に掛けていてね、中二だけど高校進学で悩んでいるんだ。」
「英語が得意なのよね、ここから通える高校ではレベル的に満足出来ないのかな。」
「一応自学自習のコツを教えたり自分の計画を話したりしてるが、このキャンプで大学生からも教えて貰えるだろうと思ってね。」
「満足して貰えてるの?」
「色々情報を貰ってるし、楽しそうにしてるからな。
 中学生が大学生と接する機会なんて親戚に大学生が居ないとなかなか無いだろ。」
「そうね、私が大学生と話す様になったのも五月になってから。
 でもさ一流大学の学生と言っても然程魅力を感じない人もいるのよね。」
「それは仕方ないさ、人それぞれだから。
 でも、こんな田舎で長期合宿をしてる人達で真面目な人ばかりだろ。」
「真面目だけど柔軟さが無かったりとか感じない?」
「花鈴お気に入りの藤井さんみたいな人ばかりではないと言うことさ。
 徳沢さんだって頑張ってるじゃないか。」
「そうね、色々話して来たけど、藤井さんに教えて貰う様になってからアプローチの仕方を変えてるの。
 彼の視野を広げられるかも。」
「そんな話は人にはするなよ。」
「分かってるわよ、嫌な女の子と思われたくないもの。
 今までは家族に話して教えて貰って来たけど、藤井さんは違った視点から助言してくれてね、家庭教師をお願いして正解だったわ。」
「心理学的に?」
「心理学とは関係なく人間関係学みたいな感じかしら。」
「う~ん、彼は人との接し方が上手いよな、自分は得意とは言えないからコツとか有ったら伝授して貰いたいものだ。」
「コツと言うか、彼は心が広いの。
 お兄ちゃんも心の広い人だから大丈夫よ。」
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