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夏休み-100 [花鈴-10]

「野菜も竹も元はタダだから、労働がそのまま利益に繋がって行くとは言え大儲けは難しそうなのよね。
 竹林の作業は進んでいますか?」
 ええ、一日一時間でも皆で作業してますから予定通りに。
 作業に慣れて来ましたので阿吽の呼吸と言いますか、誰かが指示することなく進んでいます。
 ただ、足元の安全確保を優先し、手間の掛かる作業をしていますので、知らない人が見ていたら遅々として進んでないと思うかも知れません。」
「竹を切る時には少し掘ってから、切った残りで躓かない無いようにするって大変そう、でもそうしておけば快適な竹林になることは間違いないのよね。」
「ええ、かなり間引きましたので明るくなり気持ち良いです。
 竹藪が竹林になりつつ有りますので作業する喜びを感じます。
 川崎さんは教えて貰った竹細工に嵌りまして、手間は掛かっても自然の素材は良いとか。」
「竹細工と竹細工挑戦キットの販売を考えているのだけど、嵌る人が居るのなら少しは売れるかもね、でも作業者の給料とバランスが取れるかどうかが問題でしょ。」
「ですね、多く売れれば効率が良くなり利益が出るとは思うのですが、通販も含めて展開してみてから判断ですか…。」
「竹細工作品を紹介する動画や竹細工を作ってみようと言った動画で勝負ね、川崎さんには是非手伝って欲しいのだけど。」
「多分大丈夫です、彼女は花鈴姫のファンですから。」
「ふむ。」
「あっ、今、安くこき使えそうだと思いませんでしたか?」
「それに気付くとはお主も成長したの~、まあ、言わぬが花と言う言葉も有るぞよ。」
「ふふ、姫、ここに来てるメンバーは皆、株式会社花鈴が何をしようとしてるのか理解してます。
 ここへの移住を考えていない人でも、ここを第二の故郷にすると話していまして、就職してからも遊びと作業に来たいと。」
「作業にも?」
「程良く体を使う作業は楽しいものです、作業を一時間程度とした姫の判断は間違って無かったのです。」
「ただ働きさせられてると不満を感じてる人はいないの?」
「竹林の整備は労働と言うより遊びに近いもの、同世代の仲間と長期間の合宿生活は学生時代でしか経験出来ません、私達はそれを楽しんでいるのですよ。」
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