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夏休み-92 [花鈴-10]

 藤井さんは人当たりの良さが抜群、彼らの企画で子ども達と遊んだ時も一番人気だった。

「藤井さんは教育学部では無いのですよね。」
「ええ、経済学部です。」
「小さい子の相手が教育学部の人達より上手でしたが。」
「人と接する時の基本は年齢に関係なく同じで、相手に興味を持って接しています。
 自分は子どもと接する機会が無かったので新鮮な気持ちで向き合うことが出来ていまして。」
「それは私も含めてですか?」
「勿論と言いますか、能力の高い小学五年生に自分は興味深々だったのです。
 自分だって優秀な子どもでしたから今の大学に合格出来たのですが、レベルが違うと感じています。
 徳沢が僕と化しているのにも納得していますよ。
 ですから今度のキャンプは楽しみでしか有りません。」
「私達五年生の五人との合同英語キャンプね、英語が飛び交うのだけど全員が英語をスムーズに話せる訳ではないから気を付けて下さい。
 Lilyとは英語のみにして欲しいですが、大賢者やひろっちは英語の学習歴が浅いから覚えている単語がまだ少ないので、伝えなくてはならないことは日本語で確実にお願いします。」
「確実にとは?」
「特に大賢者は曖昧さを嫌います。」
「成程、数学の話は日本語で良いのですね?」
「問題無いです、隣で聞いてる数学の苦手な大学生が何を話してるのか分からないレベルで会話して上げれば彼は喜ぶと思います。」
「ひろっちは?」
「彼は普通に優秀な小学生です、それでも中学の学習範囲を理解出来ない訳では無いことを普通に証明しています。
 それなりの私立中学に合格出来る実力は有ると聞きました。
 Lilyは英語で育った普通の子ですが素敵な子、絵梨は攻撃的な所が有るから気を付けて下さい。」
「国語が得意だとは聞きましたが。」
「勝気な性格なので上から目線で来る大学生には論理的に攻めて行くのです。
 地元の大人達には物怖じしない性格が受けて可愛がって貰ってるのですけどね。
 藤井さんは子どもに対して上から目線で話したりしないから大丈夫だとは思いますが。」
「個性的な子達とのキャンプだとは聞いていましたが皆さんと友達になれたら嬉しいです。
 勿論、花鈴姫とも。」
「う~ん…、私と友達になりたいと言ってくれた大学生は藤井さんだけ、そうやって人の心を掴んで行くのですね。」
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