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夏休み-83 [花鈴-09]

 徳沢さんは学力が高くて大学に合格出来たのだろうが物足りなさを感じさせられることが有る。
 つい中学生の兄と比較してしまうのだが、兄は父と難しい話をしてるからか視野が広いのだ。
 小学五年生の私に従順なのは私にとっては良くても本人にとってどうなのかと思うことも。

「徳沢さんはインターンシップに興味は?」
「ここでの調査が有りましたし公務員を考えていますので考えていませんでした。」
「父が来年を目途に本社でのインターンシップ実施を考えているのですが、折角大学生が来てくれているのだから少し話を聞かせて欲しいと話していまして、飲食などの見返りは用意しますが如何です?」
「本社を見学さえて頂けるのなら皆喜んで参加すると思います。
 名古屋での会社説明会に参加した人も来ていまして本社を見学したいと話していました。」
「それなら日程の調整だけで済むのかしら?」
「今夜にでも全員に話しますが、調整はどのように?」
「そうね、総務の担当と直接話せる様にするわ。
 学生側の窓口は徳沢さんで問題ないの?」
「大丈夫です、もし一回だけでなく継続されるのなら、入社を希望してる男に担当させます。」
「そんな人がいるのなら父も喜ぶと思います。
 う~ん、いっそのことインターンシップのプログラム作成に参加とかどうかしら?
 父に連絡しますので、その人に直ぐ連絡取れないか確認して貰えませんか?」
「えっ、今からですか?」
「善は急げって言葉を知らないの?」
「それにしても…。」
「その人が真剣に入社を考えているのであれば、今日中に会って話したいと思うのだけど。
 勿論、そこまで意思が固まっていないので有れば無理にとは言いません。」
「分かりました連絡してみます。」

 早ければ良いと言うものではないが、この件は早く動いて損は無いと感じた。
 会社説明会に参加しただけでなく本社の立つ地で過疎地の体験をしようと思う人なら父の考えを理解してるだろうし、私は彼が国立大学の学生だと言うことも判断材料にしている。
 少なくとも入学試験に合格出来なかった人より入試に対する能力は上回っているのだから。
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