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夏休み-77 [花鈴-08]

 大学生のサークルがどんなものだかは良く分からないが、徳沢さんに誘われた人達が、テスト期間終了後、田舎暮らしを体験する為に十名程来るそうだ。
 その人達に竹林の再生と言う課題をプレゼント。
 部落の人達と交流して貰うことも密かに企んでいる。
 皆さん無駄に広い家に住んでみえるから、十人ぐらいが押しかけても何とかなるだろう。
 今日はオフィスへ…。

「花鈴姫、竹林に関しての契約を交わして来ましたが、他の素材に関しても姫に言われた通り話しました所、山を荒らすことが無ければ構わない、むしろ綺麗にしてくれるので有れば、竹林同様にお願いしたいと話しておられました。」
「山菜や、きのこの話は?」
「相談したエリアにマツタケは無いと一笑に付されましたが、毒キノコに注意する必要が有るのと、山菜は来年のことを考えて採る必要が有るとのことです。
 ご自身は家の近くでしか山菜採りをしなくなったそうで、都会で働いておられる息子さん達も山には興味が無いと話しておられ問題はなさそうです。」
「ではあのエリアもキャンプ場用地として父が確保したエリアの延長として自由に利用出来るのですね。」
「はい、但し猪には気を付けて下さいと。」
「そうね、清六おじさんにはキャンプ場を中心にして猪の罠をお願いして有るけど、ねえ、山根さんもわな猟免許取る?」
「はい、そのつもりで調べています、このエリアの猪を全部食べ尽くすのは難しいそうで人手が必要だと言われていまして、花鈴姫が道で猪とばったり出くわすことの無い様にと考えています。」
「猪も生きる為に頑張ってるから油断出来ないのね。
 猟師と言うのは想定の範囲内だったのですか?」
「ええ、都会でぬるま湯に浸かってる様な生活から抜け出そうと思い本社勤務を希望しましたが、株式会社花鈴は更に面白そうで、姫、このド田舎を変えてやりましょうよ。」
「そうね、朽ちかけた空き家を減らし、移住したくなる田舎に出来れば本社勤務希望者が増えると思うの、そうしないと山根さんが結婚相手と出会える確率が低いままでしょ?」
「はは、それがそうでも無いのです。
 すでに孫と見合いをしないかと言うお誘いを幾つか受けているのですよ。
 扱いは子会社でも大企業と同じ待遇だと知られていまして自分は優良物件なんだそうです。」
「へ~そうなんだ、じゃあ本社勤務の独身者とここで暮らしても良いと言うお孫さん達が出会えるイベントを計画しましょう。
 担当者特権として気になる人がいたら人より先にアタック出来るのだけどどう?」
「はは~、謹んで引き受けさせて頂きます。」
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