SSブログ

夏休み-72 [花鈴-08]

 実際の所、徳沢さんを始めとした大学の調査メンバーは、彼らが合宿所として使用し始めた家屋の改修を私が指示したと思ってる様で私に従順では有る。
 既に学生は入れ替わりながらその人数を増やしているのだが、夏休み本番になると更に増える予定。
 ただ夏休み期間は小学校とずれるそうで、私達の夏休みは学生の少ない状態で始まることに。

「大賢者は夏休みをどう過ごすの?」
「花鈴姫達の企画したイベント以外は興味の有ることと何時も以上に向き合うかな。
 イベントも興味が有るのだけどね。」
「キャンプのついでにクワガタを捕りに行く話は中学生にお願いしておいたからね。
 彼のお爺さん所有の山で一般人は勝手に入れない所、そう言う所でないとお金の為にクワガタを捕りまくる人に荒らされるのだとか。
 猪や鹿だけでなく人間も私達にとっては害獣みたい。
 猪の行動は生きて行く為の自然なものだけど、売る為にクワガタを捕獲してる人達は徹底的に捕まえるのだとか。」
「昆虫は環境さえ整っていれば簡単には数を大きく減らすことはないそうだけど、それを上回る勢いではね、僕は絶滅させたい訳では無く、沢山捕まえる気は無いから。」
「飼うの?」
「種類によって違うけど成虫になってからの寿命は短いみたいだから…、繁殖させられたら面白いのだけど。」
「増やして売って儲ける?」
「小学生で商売を考えてるのは花鈴姫ぐらいだぞ。」
「そんなことは無いと思うけど、小さいながらも新会社の会長に就任したから周りが騒々しくなり始めてるのよ、大賢者が巻き込まれてしまったら御免ね。」
「えっ、また取材とか?」
「ねえ、今まで取材を受けた時には出演料とかの交渉はしたの?」
「全く知らないよ、お母さん任せで…、なんか微妙だったかな…。」
「微妙?」
「お母さんは取材を受けた後の態度が色々、機嫌良く外食と言うことがあるかと思えばブツブツと。」
「マネージャーがしっかりしてないと損をするわよ。」
「姫にはマネージャーがいるの?」
「私の場合は秘書をどうするか、取り敢えずお母さんに手伝って貰って考えることにしたの。
 社員と相談している内にスケジュール管理をしっかりする必要が出て来てね。」
「忙しいんだ。」
「忙しくしない為のスケジュール管理なの、明後日には地元で事業を営んでる人向けに新会社の説明会を開くのだけど、そこからの流れで私がどう動くことになるのかが決まって行くと思う。
 既にお話しした人達は前向きに考えて下さってたから、がっかりさせたくないとは言え、小学五年生に出来ることには限りが有るでしょ。」
「はは、花鈴姫は普通の五年生とは違うから限界が想像出来ないけどな。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。