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調査-70 [花鈴-07]

 私が初めて会う大人を苦手にしてるのは、その人がどんな考え方をしてるのか分からないからだ。
 私にとって敵か味方か、その辺りのことが分かれば距離感が掴める。
 お父さんが我が家に招いた我が社の社員達は、田中社長から私のことを聞いていたそうで、子ども扱いをしないが配慮の有る話し方をしてくれ、直ぐに味方なのだと理解出来た。
 事前にここまでの流れとこれからの計画を送って貰っていたのだが、普通の小学生が使わない漢字を普通に使っていてくれていたのも嬉しい。

「花鈴姫、夏休みは大学生との交流も有るそうで忙しくなりそうですが、夏休みは宿題も有るのですよね。」
「学校からの宿題は直ぐに終わりますので、おまけとして中学の問題集を提出用に五冊終わらせて有りますが、自由研究は会社のことをまとめますので協力をお願いしたいです。
 私達の会社が何を目的としてるのか、大人達に伝えて行く必要が有りますので目的は広報、自由研究とするのはそのついでです。」
「物語も書かれるのですよね?」
「そっちは友達に協力して貰うから大丈夫、ただ対象を大人とするか子どもとするかで色々変わりますので、皆さんの考えを教えて欲しいです。」
「私は資料を読ませて頂いて、大人を対象とした優しい文体のお話をイメージしました。
 ケーキを買うのは大人ですから、大人に興味を持って貰う必要が有るかと。」
「確かにそうですね、子どもを巻き込んだ方が面白くなるとも考えていたのですが、そこは大人に任せましょう、ケーキ屋さんには大人にも子どもにも喜んで貰える物をとリクエストして有ります。」
「ケーキ屋さんは我々が立ち上げる店舗の一部みたいな扱いと考えて宜しいのでしょうか?」
「相乗効果を最大限に引き出して行きたいです、これから建てて行く建物もケーキ屋さんに合わせて行けば間違いないでしょう。
 お客さんには同じ経営者の店だと思って貰えるぐらいに協力して行けば、他のお店も私達の輪に参加したくなるかも知れません。」
「それは有りますね、私が調査した店は本社移転の効果に期待してる人ばかりでしたので。」
「多くの店に、と言っても都会と違い数は限られますが、うちの傘下とならなくても私達の輪には加わって欲しいです。
 それとは違う展開なのですが、八月からは学生が遊びに来る事になっています。
 研究室の調査関連では有るのですが、彼らも私達の輪に入って貰おうと考えています。
 まだ、具体的なことは何も決まっていないのですが。」
「どの様なことをイメージされているのですか?」
「彼らの為に合宿所を用意しますので、そこをコンスタントに使って貰えれば微々たるもので有ったとしても経済効果が、更に情報発信をして貰えればと考えています。
 私の部落訪問に同行して貰って彼らの力量を探りたいとも思っています。」
「彼らにとって花鈴姫は調査対象なのですよね、その彼らは姫の調査対象なのですか?」
「手伝ってくれる人を見つけられたらラッキーだと思いません?」
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