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徳沢-60 [花鈴-06]

 徳沢さんは教頭先生と相談し、一年生全員の親からビデオ撮影に関する承諾を貰った上で撮影を開始、編集は研究室のメンバーが行い、親が閲覧出来る様になるまでに時間は掛からなかった。

「花鈴姫、こうして映像で確認してると子ども達の表情の差が一目瞭然だね。」
「差?」
「姫達と先生に対する時のさ。」
「おじさん先生と比べられてもね、彼を一年の担任した理由が分からないのよ、とても真面目な先生で私達の理解者でも有るのだけど、一年生にとっては親よりうんと上でお爺ちゃん世代なのよ。
 優しい人だけど、まだ慣れない子もいてね。」
「そっか、そう言った背景も情報としてまとめて行かないとな。」
「どんな先生が担任になるのか、自分に合った人になるかどうかには運の要素も有るのよね。
 一年生の担任には若い先生がなる予定が有ったのだけど、その人が何かをやらかして退職したという噂が流れてるし。」
「退職してなかったら良かったとか?」
「あくまでも噂だから本当の所は分からないのだけど、不祥事を起こして退職する先生なんて極僅かでしょ、そんな先生が来なくて良かったと思うわ。
 グレーな先生を田舎の学校に転勤させて更生させようと考えてたとか、大きな声で話してた先生達も本当の所は分からないみたい。」
「えっ、花鈴姫に聞こえる所で?」
「良いのよ、そんな話を聞いて子どもは成長するの。
 絵梨はお母さんと調べたみたいだけど。」
「その結果は?」
「知ってどうなることでもないから聞いてないわ。
 それより学習風景の映像はお父さんやお母さんに好評みたいね。」
「そうなのか、特に聞いて無いのだけど。」
「私への貢物が急に増えたから間違いないと思う、お菓子のお裾分けは畑仕事の後でね。」
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