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徳沢-57 [花鈴-06]

「確かに研究室メンバーでも個人差は有るし、それぞれ研究テーマが違ったりするからな。」
「徳沢さんのテーマは?」
「定められているカリキュラムから離れた学校の取り組み、そこから現行の教育制度を見直すと言った所なのだけど、先生によって差が有ることは感じてたよ。
 自分より頭の良い小学生の相手をするのは大変みたいでね。
 大賢者は数学などで明確な能力差が有るが、教頭先生が距離を置ける環境を作ってくれた。
 だが花鈴姫達は物事を社会学的な角度から先生たちにぶつけていて、それに対応し切れない先生は白旗を上げてるのではないのかな。」
「いえいえ、大人のプライドが邪魔をしているのか全然、ちょっとだけ調べて反論してくる先生がいるのよ、残念ながら私達が調べてるのと量が違い過ぎることに気付けなくてね。
 結局、適当に誤魔化すからまともな議論にならないの。」
「う~ん、実際の場面を見ていないから何とも言えないが…、そんなこともお父さんには話してるの?」
「ええ、だからうちの夕食では話題が尽きなくてね。」
「お父さんは何て?」
「一人一人を見極めなさいって、追い込み過ぎると敵になるけど、適度に刺激を与えつつ良い関係を築くことが出来たら味方になってくれる人もいるのだとか。」
「現時点での味方は?」
「教頭先生の他は三人ぐらいかしら、他は私達の敵というポジションに対してリスクが大きいと感じていそうな人と、反抗的な人も三人ぐらい。」
「その三人とは敵対関係に?」
「そんな関係は望んでないから適度に距離を置いて観察してるのだけど、一人、人間的にどうかと思う人がいてね、徳沢さん達が今まで関係して来なかった先生だと思うのだけど。」
「それは有る意味興味深いね。
 学校の抱える問題にどこまで踏み込めるのか分からないけど、そんなことも自分達の目的でね。」

 徳沢さんには先生達に関する情報を、あくまでも私達の視点だと話して伝えた。
 これからは大学生の視点で気付いたこと、思ったことを教えて貰う約束をしたが、極力第三者の視点で公平に見て欲しいと付け加えてある。
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