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徳沢-54 [花鈴-06]

 山崎さんとは消防団の予定を教えて貰う約束をしてから我が家へ。

「お母さ~ん、徳沢さんと火遊びするからローソク使って良い?」
「この前大賢者達とやった残りで良いの?」
「うん、簡単に済ませるから問題無いわ。」

「じゃあ徳沢さんローソクに火を付けて。」
「お、おう、マッチを使うなんて久しぶりだよ…、あっ、失敗した。」
「そんなに力まなくても大丈夫よ。」
「ああ、小学生の頃にキャンプで使って以来だから…、新鮮だな…。」
「マッチを擦るとどうして火が付くのかしら?」
「やっぱり摩擦熱で燃えやすい薬品の付いてる先端に…、う~ん、どうしてと問われると簡単には説明出来ないものだね。
 答えは?」
「マッチを擦ると火の精霊が炎を具現化してくれるの。」
「はぁ?」
「魔法や精霊の出て来るお話が好きな子相手なら、一つの答え。
 摩擦や薬品に付いて理解出来る子相手なら、マッチを擦った瞬間の温度とか薬品の特性、ついでに火の着いたマッチ棒が、その持ち方によって直ぐ消えてしまう理由とかも一緒に考えたいかな。」
「あっ、着いた火は軸の部分に燃え移らせないと駄目なのか…。」
「ようやくローソクに宿る火の精霊を目覚めさせられたわね。
 それで徳沢さんはローソクが素晴らしい発明品だったことは理解してる?」
「いや、深く考えた事は無かったからな。」
「蝋と芯だけの至ってシンプルな構造でしょ。
 でも、芯が溶けた蝋を吸い上げ、燃えているいるのは主に蝋、蝋が減るに従って芯も少しずつ減って行く。
 でも蝋だけでは火を近付けても溶けるだけ、芯だけだったら直ぐに燃え尽きるのかな。」
「言われてみればそうだな、二つの組み合わせで、ゆっくりと照らしてくれる訳だ。」
「じゃあ、倒したらどうなる?」
「火事に…。」
「燭台ごと倒して良いですよ。」
「あっ、そうか急に倒すと溶けた蝋が火を消すんだ。」
「ゆっくりと火を消さない様に倒して行くことも出来るけど、間違えてローソクを倒したからと言って直ぐに火事とはならない、火を使うアイテムは昔から色々有るけどそれぞれ安全で便利な様に工夫がなされているのよね。
 今はガスでコントロールするのが一番楽で便利だけどガス漏れのリスクは有る。
 石油ストーブは灯油の補充とかの手間が、それでも薪割しなくて良いから便利、でも、それを苦にしない人達は薪ストーブを愛用していたり、風呂も薪でと言う人がいるのよ。」
「ちょっと考えられないが、自分達とは価値観が違うのだね。」
「うちで火遊びをした子には火事の映像を見せるのだけど必要かしら?」
「いや大丈夫、でも消防団の訓練に参加するのだから防火のことなども調べておくよ。
 ここでの火遊びはローソクだけなのかい?」
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