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五月-50 [花鈴-05]

 徳沢さんは私の話を思っていたより真面目に受け止めてくれ、返事が来るのは早かった。
 夏休み期間を利用し小学生と交流したいと考えてた学生もいるそうだ。

「奴らはここの子達がバラバラに住んでいる状況を理解していないかもだけど、まあ、それも含めて過疎地の小学校、その現状を体験して貰えたらと思うんだ。」
「では、普通に十人ぐらい住める家を用意して貰うわ、今度の夏休み期間しか使わないのだったら、その次を考えなくては行けないから、早めに教えてね。」
「条件にもよるが自分達としては合宿所みたいな感じでずっと使わせて貰えたらと考えていてね。
 小学校へ調査見学に行くのは四人としても、中学校も有るし、小中学校に関係なくここで生活してみたいと言う奴もいるんだ。」
「それなら支所の観光課にも動いて貰うから課長さんにご挨拶に行かないとね。
 家の方はもしかしたらと話を通して有るから、直ぐにでも改装工事を始めて貰えるわよ。」
「費用は大丈夫なのか?」
「見積もりを出して貰って父の了解は得て有るの、所有者は父になるからね。」
「花鈴姫がおねだりしてくれたのか?」
「そんなんじゃないわよ、ここの活性化を考えたら、例え短期間で有っても住んでくれる人が増えることが望ましいと言うのが家族会議の結論なの。
 兄は高校や大学を通信教育でとイメージしているのだけど、大学生と接する機会が有れば自分にとってプラスになると考えていて、特に難しい受験をクリアした人達とはね。」
「そうだったな、中学の噂も伝わって来ていて我々としても是非お兄さんとお話ししたいと考えてはいたんだ。
 やはり見返りを考えないと行けないのかな?」
「う~ん、綺麗なお姉さんが水着姿で登場したら喜ぶかも、中三の男の子はそうなのでしょ?」
「えっ、まあそうだな、しかしどういうシチュエーションで水着になるんだ?」
「もちろん川遊び、他に考えられる?」
「そ、そうだな、でも水着で遊ぶ様な河原を見た記憶がないのだけど。」
「キャンプ場として整備中の所は夏までに川で遊べる様にする予定なの、コテージが使える様になるのは来年だけどね。」
「テントを張って宿泊とかは?」
「間伐作業の進捗次第かしら、今年の夏までに川遊びが出来る様にする計画で、宿泊は考えてないけど、コテージを建てる計画を進めているのだから、テントを張る場所ぐらいは出来てると思うわ。」
「コテージを貸し出して資金を回収するとか?」
「社員向けの施設にする予定なのだけど、社員の利用が少なそうだったら一般へも貸し出す予定、ここから車で一時間半ぐらいの所に有る工場の従業員次第かな。」
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