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五月-46 [花鈴-05]

 大学生達の活動は授業の見学から始まり、絵梨と私が低学年を教えている光景も観察対象に。
 ピーマンを植え付けた日のことが影響しているのか、滝川さんは明らかにLilyを避けていたので、Lilyには彼らと英語でしか話さないことにして貰った。
 それでも徳沢さんは帰国子女の学習に興味が有るそうでLilyと積極的に話す、始めの内は互いに戸惑いが見られたのだが。

「徳沢さん、Lilyと英語でのコミュニケーションがスムーズになって来ましたね。」
「うん、花鈴姫に手伝って貰ったお陰だよ。
 自分は小学生と英語で話すのが初めてだったから話題も分からなかった、でも畑のことは共通の話題になってるし、知らない単語を覚え使うことで自分の英会話力が鍛えられていると感じてる。
 君の言ってた通り英語は使って身に付けるものだと実感したよ。」
「良かったです、私達は皆さんが折角Lilyと知り合うのだからカナダ英語に触れて頂けたらと考えていましたので、滝川さんは残念ですが。」
「自分もだが英語を日常的に使う環境に無かったからな。
 テストの為に英語を学習して来たとしても会話出来なければ、そう言う意味で彼らは積極的に英語で会話しようとしてる花鈴姫以下だと自覚してるのだよ。」
「それでも私達が低学年の子に教えてることは上から目線で評価してるのでしょ?」
「いやいや、全然上から目線では無いんだ、湯山さんは学習塾で教えているのだけど凄く参考になったと話していてね、自分は生徒のことを考えず、ただ塾の方針に沿って教えていただけなのかもと、少し落ち込んでたんだ。」
「それで皆さんの研究は進んでいるのですか?」
「進んでいると言えば進んでいる、今は兎沢小学校の現状を調査し確認している段階だからね。
 冷静に記録して行かないと少しずつ交代して行く連中に繋がって行かないのだよ。」
「研究室のメンバーで共有して行くのですね。」
「そうなるのだけど、来月から来るメンバーは早く花鈴姫達と話したいって。
 公立小学校の出身者は皆、小学生時代に退屈な思いを経験しているからな。」
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