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五月-42 [花鈴-05]

 クラスのみんなはカッコイイ子ばかりなので仲良し。
 そのみんなが他の学年の子にも良い事をしたらカッコイイ、悪い事をしたら恰好悪いと言い続けてくれた結果、平和な小学校になってると思う。
 大きな学校ではないから遊ぶ時に学年は関係ない。
 そんな学校でみんなが遊ぶ時に簡単な英語を使うと言う遊び心を付け加える提案をしたら、縄跳びではone two threeと数える様になり、Let's goやCome onと言った言葉が飛び交う様になりつつある。
 六年生が面白がって高学年中心に広めているのだが、遊んでる時に使う言葉をLilyに聞きに来る子もいて嬉しい。

「花鈴お嬢さま、先ほど六年生からサッカー用語の発音を聞かれました。」
「教えてあげられた?」
「かなり恥ずかしかったですがなんとか、彼らが覚えられたかどうかは分かりませんが。」
「良いのよ、覚えようと思う心が大切なのだし、恥ずかしくても教えてあげられるLilyは素適だわ。」
「ただアメリカとイギリスでは表現が違っていますし、英語を使っている国でもそれぞれに癖があると思うのです。」
「知ってる、地下鉄がsubwayだったりtubeとかundergroundなのでしょ。
 カナダの英語にも特徴が有るの?」
「みたいですが私は分かっていなくて。」
「兎沢小学校のみんながカナダ英語になって行くのも面白いわね、もっと英会話に慣れたら自慢出来そうだわ。」
「自慢になりますか?」
「それも個性でしょ、みんながそれを兎沢小学校で学んだ成果だと思わなくても、私はここでLilyから学んでる事を嬉しく思っているし、それがカナダ英語だと分かったから英語学習のルーツはカナダに住んでたLilyなんだって話せる、それって素敵じゃない?」
「そ、そうですか…?」
「ここの方言は分かって来た?」
「そうですね、方言で話すことは難しいですが何を話しているのかは分かる様になって来ました。」
「世界中には沢山の言語があるだけで無くそれぞれに方言も有る、とても効率が悪いことなのだけど面白くも有るのよね。
 私が大きくなってカナダ英語を話しているのに気付いて貰えたら、カナダに住んでた訳では無く英語の師匠がねって、Lilyのことを話すわ。」
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