SSブログ

ピーマン-39 [花鈴-04]

 昼食の後片付けが早かったのは、お父さんが大人達に、お兄ちゃんが子ども達に指示を出していたから、伊藤さんが話しておられたリーダーとしての器ということか。
 小枝子さんによってピーマンの会と名付けられた五家族の昼食会は終わったが、これから更に交流を深めるそうで、大人達は夜に我が家で酒盛りすることが決まっている。
 私達は絵梨の家で作戦会議。

「畑が広がったら野菜だけでなく色んな物を栽培してみたいわね。」
「自給自足となると量も必要じゃないの?」
「大賢者、良く食べる物はご近所から貰えるから量は控えめで良いのよ。」
「お嬢さま、果物はどうですか?」
「ええ、木を植えたいわね、夏に木陰は必要でしょ。」
「良いけど、桃栗三年柿八年でしょ、食べられるまでがね。」
「苗木を買って来ればとは思うけど、この五人が八年後に柿の実を食べに集まるとか考えるのも楽しいと思うな。」
「纐纈社長が話しておられた農業公園を目指すなら、色々な果物も植えるべきだと思う、例え名称がピーマン農業公園になったとしても。」
「ひろっち、ピーマンはもう勘弁してくれよ。」
「でも今日は食べなかったのだろ、自分達で育てたのを楽しみにするとか言って。」
「それは…。」
「大賢者、諦めるしかないわよ、お母さんがピーマンの会と命名してしまったから、それなりの人達がピーマンの会に注目することになるの。
 YouTubeチャンネルのネタになるし、田舎暮らしの紹介がお母さんの仕事だからね。」
「僕らもYouTubeに登場するのかな?」
「そこは相談になる、私と花鈴は顔を出してるからお母さんが細かく計算したギャラが貰えるけど、今日撮影したものでも編集して大賢者がいなかったことにも出来るの、お父さんがドローンを飛ばして撮影したものは誰だか分からないけど、それでも了解を得て使うのよ。」
「ギャラか、それは魅力的だね。」
「その辺りは親子で話し合ってからになるけど、魅力的な番組制作に大賢者が協力してくれたら閲覧する人が増えてお小遣いアップかな。」
「そう言うものなの?」
「五年生が難しいことを分かり易く説明するとか、今までは可愛い花鈴目当てで見る人が多かったのだけど違う視聴者層を呼び込みたいのよね。」
「う~ん、絵梨、ピーマンを語る天才少年ってどうかしら?」
nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。