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ピーマン-37 [花鈴-04]

「ピーマンへの取り組みは五月から来る大学生にも伝えて行くつもりなのか?」
「勿論よ、労働力にもなって貰うつもり、手伝ってくれない人の質問に応える必要はないでしょ。」
「そうか、ならば田中さんも手伝って下さると言うことで、そろそろ隣の耕作放棄地をきちんとして貰うかな。」
「纐纈社長の土地はどれぐらいの広さなのです?」
「ここから見える田植えの準備が始まってないエリアで、一部は道路と駐車場になります。」
「かなりの広さですね、何か戦略でも?」
「戦略と言うほどのことでは有りませんが、ここを訪れた観光客が実際に畑で栽培されてる野菜を見られる様に出来たらと考えています、いずれは農業公園にしたいですね。
 猪や鹿の肉を売りながら赤字にならない程度に出来ればと。
 ピーマンばかりにはしないから安心して良いよ、竹中くん。」
「はい、野菜がどんな風に栽培され実を付けているのか写真でしか見た事ないので興味は有ります。」
「自分達が食べてるもののことをもっと知って欲しいのだよ、ついでに日本の食料自給率が低いこともね。」
「食糧自給率?」
「突然輸入が止まったら大変なことになるんだよな、花鈴。」
「食糧や燃料を輸入に頼ってるから、それが止まると社会経済が混沌、お父さんの会社も大変なことに、でも私達はそうなっても自給自足で取り敢えず問題なく暮らせる様に考えてるのよ。」
「う~ん、学ぶべきことが増えて嬉しいよ、ひろっちは聞いてたのか?」
「うん、まだピンとは来てないけど。」
「えっと、花鈴、Lilyちゃんはまだ紹介して貰ってないぞ。」
「そうね、Lily、そんなに緊張しなくて大丈夫だから、お父さん、英語で話して上げて。」

 お父さんとLilyは暫く英語での会話、何を話しているのか分かる所も有るが、まだまだ学習の必要は沢山有りそうだと感じた。
 聞くのをやめたのは、二人が私の話ばかりしていたから。
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