SSブログ

ピーマン-36 [花鈴-04]

「絵梨ちゃん、特別実験校になるのに先生は特別ではないのかい?」
「普通の公立学校の見直しなのですよ。
 大きな学校では大変だから児童数が程良く、地元の理解を得られていると言うか児童数の増加を目論んだ、ここの大人達が頑張ってあちこちに掛け合って何とか実現したことなのです。
 ですから教頭先生は乗り気でも他の先生は今一つで。
 五年一組の担任は教頭先生に言われて理科の実験準備を竹中くんと取り組み始めてるのですが、口癖は忙しくなったなのです。」
「だから先生に成り代わって?」
「正直な話、花鈴と私で教えた方が効率的なのです。
 英語はLilyに勝てる先生がいないのですし。」
「ALT、外国語指導助手はいるのだろ?」
「体が大きくて少し怖いのです、男性の低い声よりLilyの方が断然分かり易いです。」
「言われてみればだな、かと言って小学生は雇えない訳だ。」
「授業に関係なくLilyと話し教えられてるから絶対普通に話せる様になろうって花鈴と頑張ってるのです、あっ、竹中くんと田中くんもついでにです。」
「その、ついでにって言ってしまうとこが絵梨で、御免ね田中くん。」
「いえ、僕はついでで充分です、ここに来てから学ぶことが多くて大変ですが、充実した毎日を送っていることは間違いないです。
 前の学校で受けてた退屈な授業と違い中身の濃い学習は自分の能力を伸ばしてくれてると実感しています。」
「田中くんも大人びた話し方をする子なのね。」
「竹中くんの様な高い才能を持っている訳では有りませんが、同級生と話すより大人と話す方が楽で。」
「今は花鈴ちゃんと話すのが楽しいとか?」
「はい、毎日が刺激的ですから、竹中くんもでしょ?」
「勿論さ、ピーマンで盛り上がってることだけは納得出来てないけどね。」
nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 13

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。