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五年一組-24 [花鈴-03]

 絵梨は随分乱暴な話をしたのだけど、絵梨みたいなタイプに免疫が無いと言うか、そもそも人付き合いが限られていたであろう竹中くんは、あっさり私達の仲間になった。
 もっとも転校して来てから話し相手になっていたのは私達ぐらいだったが、絵梨は竹中くんの仲間内での立場を少し下に設定しようと考えたみたい。

「じゃあ五年一組の女王を花鈴として。」
「絵梨、ちょっと待って、私は女王なの?」
「女王よね、竹中くん?」
「姫さまの方が相応しいかと、ね、田中くん?」
「お嬢様が女王様では…、伊藤さんの意見も聞きたいです。」
「そっか、花鈴が『女王様とお呼び』ってのはイメージと違うか…、竹中くんは花鈴に仕える大臣と考えたのだけど魔法使い路線の方が良いのかな…。」
「その前に小栗さんはどう言う役職なのですか?」
「私は花鈴の友達。」
「なんかずるいです、ここは魔女とかだよね、竹中くん。」
「うん、言われてみればしっくりする、花鈴姫をお守りする田中くんと僕、メイドの伊藤さんに魔女の小栗さんだな。」
「ね、大岩くんは姫さまをお守りする親衛隊って、どう?」
「えっ、僕?」

 他愛のないお遊びに、すぐ隣にいた大岩くんから付き合わせ五年一組全員を巻き込んだ。
 皆仲間外れにされたくないから簡単なこと。
 ただ、男の子がみんな親衛隊、女の子がみんなメイドでは面白くないと、今も全員の立場が決まった訳ではない。
 そんな中で竹中くんは賢者の称号を手に入れたのだが、日頃の行いからか絵梨は魔女に、それでも白銀の魔女となったのは皆が頼りにしてるからだと思う。
 そして、伊藤さんは…。
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tomi_tomi

今年1年 訪問・nice!有難う御座いました。よいお年をお迎えください。
来年も宜しくお願いします m(_ _)m
by tomi_tomi (2022-12-30 15:42) 

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