SSブログ

五年一組-22 [花鈴-03]

「魔術は使えないけど理科の実験を手伝って欲しいって、先生がね。」
「先生も動き始めてるんだ。」
「花鈴は何か聞いてるの?」
「皆が理科に興味を持てる様な実験をしたいと話してた。
 一般的な小学生には、それぞれの教科に興味を持たせることが大切だとかでね。
 興味のない事には学習意欲が湧かないでしょ。
 興味が湧けば教えられなくても学習に取り組むのだから、後はその学習環境を充実させれば良いなんて、目をキラキラさせながら話してわよ。」
「そんなに甘くはないのよね~、でも興味を持てないよりはマシか。
 ねえ、竹中くんには嫌いな教科、苦手な教科ってないの?」
「嫌いなのは算数かな、簡単過ぎて、苦手なのは体育や図工、音楽。」
「それなら私の方が上じゃない、バランス良く評価されてるから親は学習に関して何も言わないのよ。」
「でも、竹中くんは数学や理科に関して中学生以上なのでしょ、興味が有るから。」
「まあね、でも、前の学校の先生はそんな偏った子は気に入らなかったみたいなんだ。」
「で、どんな嫌がらせをしたの?」
「う~ん、授業妨害かな、妨害してれば自分の興味に合わせた何かをしてくれると思ったのだけど無駄だった、結局学校へはあまり行って無いんだ。」
「でしょうね、それで兎沢小学校ではどうするの?」
「算数の時間はパソコンでの自習時間にして貰えたから妨害何て考えてない、でも小栗さんや纐纈さんは授業を受けてると言うより教える側になってるのだね。」
「それが私達のテーマなの、もう少ししたら大学の教育学部から学生がやって来るのだけど、その時に意見交換出来る様にね。」
「そうだった、大学生と学べる学習環境と言われていたし、入学式の日には大学の先生からも声を掛けられたのだけど、自分が教えると言う発想は無かった、理科の実験はそのつもりで考えないと駄目なのかな?」
「そこで先生を喜ばせておけば竹中くんのここでの自由度が更に上がると思うわよ。
 私達は先生の手伝いをして来たことで自由度が上がってるの。」
「自由度?」
「授業に飽きたら低学年のクラスに行ってとかね。」
「それに対して先生は?」
「学ぶこと、経験することに関して、花鈴に論破された先生方は始めの内は面白く無さそうで抵抗して来る人もいたけど、私達は皆がより楽しく学べる様にと考えてるからね。
 花鈴に教えられて算数が得意になった子もいるのよ。」

【この作り話にもギフテッドの子が登場していますが、こちらが現実のギフテッドです。】

nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。