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新学期-20 [花鈴-02]

「それより竹中くんのことをもっと教えて欲しいわ。」
「小栗絵梨さんは何を知りたいの?」
「そうね、初恋のこととか。」
「え~、いきなりそれを聞く?」
「早熟そうだから幼稚園の先生かしら?」
「う~ん…、確かに幼稚園の先生は小学校の先生と違って真っすぐ向き合ってくれてた感じは有るかな。
 ただ恋と言われても違う気がする。」
「随分寂しい人生を送って来たのね。」
「え~、小栗さんはどうなの?」
「好きになった人は多いわよ、私が今一番好きなのは花鈴だけど、花鈴はブラコンでね。」
「そうなんだ、僕はまだ恋のこと良く分かってなくて。」
「でも、ほら、花鈴を見てると好きになりそうでしょ。」
「そりゃあ可愛いから…。」
「緑豊かな自然の中に可憐な美少女一人、この地で君との新しい日々が始まる。
 少年は気付く、自分が目の前の美少女に心を奪われてることに。
 そう、彼は初めて恋をしたのだ。」
「うっ。」
「竹中くん、そこで赤くなっちゃあダメ、絵梨から簡単に洗脳されてはね。」
「洗脳?」
「別に洗脳なんてしてないわよ、ただ、気付かせてあげただけ。
 竹中くんをずっと観察して来たのだけど、花鈴を見てる時間が一番長かったし、直ぐに話しかけてたでしょ。」
「私はてっきり絵梨が惚れたって思ってたけど。」
「そうね、惚れるかどうか分からないけど、面白そうな人リストには入れたかな。」
「おっほん、君達、竹中くんのことを知りたかったのでないのかね?」
「清六おじさん、今の会話で随分知れたじゃない、竹中くんはどう?」
「そ、そうですね、二人とも今まで自分の周りにはいなかったタイプの人でドキドキしています。」
「ふふ、じゃあ野菜も食べようか。」

 これが絵梨のペースなのだ。
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