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新学期-19 [花鈴-02]

「でも、清六おじさん達は本当に竹中くんみたいな子が越して来るとは思って無かったのでしょ?」
「確かにダメもとで良いから受け入れ態勢を整えようとはしていたが、絵梨と花鈴がいたからな。
 竹中くんとはもう仲良くなっているのだろ?」
「まだ仲良くとまでは、ただ興味深々なのは間違いないかも。」
「自分は、転校までに絵梨さんのお母さんが書いたものを読んだりしていました。」
「そっか、数学が得意なだけでなく大人向けの文章も読めるのね。
 でも、お母さんが書いてることって微妙なのよ。」
「微妙?」
「雑誌の連載でも、私達のことを過小評価したり過大評価したりしていて、その辺りのことは直ぐに分かると思うわ。」
「今日会ったばかりで普通に話せてるのだから、過大評価の部分が気になるかな。」
「そうね、凄く真面目でも無く、適当に遊んでいるのよ。」
「えっ、私は真面目でお利口さんなのだけど。」
「花鈴、嘘はダメよ。」
「嘘じゃないわよ、ね、清六おじさん。」
「うっ、竹中くん、この子達には気を付けろよ、油断してると弄ばれかねないからな。」
「え~、そんなことしないよ。」
「そうか~、さっき、新六年生の男の子をパシリの様に使ってただろ?」
「あれは、彼が私の為に何かしたそうにしてたから使命を上げただけ、彼は嬉しそうだったでしょ。」
「うんうん、花鈴の我儘は先生も聞くし、兎沢小学校を影で支配してるのは花鈴なのよね~。」
「はは、逆らってはいけない存在なんだ。」
「そんな訳ないでしょ、ここへ転校して来る前は普通の小学生だったのが、ここでは優等生扱いになっただけ、むしろ色々仕切ってるのは絵梨なのよ。」
「表向きはね、前の学校は窮屈で、私は勉強の出来る問題児をやってたの。
 ここも花鈴がいなかったら退屈だったと思うわ。」
「少なくともこの二人には逆らわない方が良さそうだと分かったよ。」
「正解だな、それで損することは無いからな。」
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