SSブログ

新学期-14 [花鈴-02]

 ゲームの後は在校生による歌。
 先生の選んだ曲を高学年中心に披露するのだけど、これが微妙。
 人気アニメの主題歌でも歌えば新一年生が喜ぶかもだけど、例えばドレミの歌がどれぐらい古い曲なのか私は知っている。

「花鈴、失敗したら恨むかもよ。
 元はと言えば花鈴が、ド~はド~ナツのドなんてダサ過ぎて歌いたくないと駄々をこねてのことだからね、そのとばっちりを受けた私はいい迷惑だわ。」
「そんなに気にすること無いわよ、多分ほとんどの新一年生は英語なんて分からないのだから。」
「逆に、英語が得意な子がいたらどうするの、転校生も含め可能性は有るでしょ、かなり恥ずかしくない?」
「絵梨ったら意外と心配性なのね、英語の得意な子がいたら教えて貰えば良いのよ、タダで。
 語学上達のコツは使うことだと教えられたでしょ。」
「花鈴は良いわよ、小さい頃から英語教室で学習して来たのだから。
 私は英語の歌を人前で歌うなんて初めてのことなのよ。」
「はいはい、もう直ぐ出番、みんなが日本語で歌った後でなら恰好良いと思って貰えるわよ。
 大也くんたち六年生と一緒だから大丈夫。
 絵梨、こんな時はどうするのだったかしら?」
「腹を括れでしょ、妹と弟が見て無かったらもう少し気楽なのだけどね。」
「そっか、その感覚、私には分からないから。」

 ドレミの歌を日本語の歌詞で歌いたくなかったのは私の我儘、でも英語で歌ってみせたら六年生の大也くんも歌ってくれ話が進んだ。
 そこには田舎の学校でも英語の歌を歌える子がいると自慢したかった先生の思惑も有る。
 そう、単に私の我儘が通ったと言う話ではないのだ。
 小さい頃に英語で覚えThe Sound of MusicのDVDを見ながら歌って来た私には、ド~はド~ナツのドなんて恥ずかしくて…、どうしても歌わなくてはならなかったら口パクで誤魔化そうと思ってたぐらい。
 あっ、出番だ。


nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。