SSブログ

日記-06 [花鈴-01]

『明日は始業式、でも特別な準備はないのでのんびりと過ごした。
 兄は新しいパソコンに掛かり切りだったが、私がノートパソコンのカスタマイズで分からない時は教えてくれた。
 友達は兄弟喧嘩の話をするが、うちは歳の差が有るからか喧嘩した記憶が無い。
 ただ、兄が中学生になる時、お風呂に一緒に入るのは今日まで、これからは一人で入りなさいと言われ、随分抵抗したのを覚えている、両親と兄が決めたことでどうにもならなかったのだが。』
 お兄ちゃんとお風呂に入るのが当たり前だったからな~。
 あれから二年…、三年生の夏休みに転校して色々有ったけど、一人でのお風呂に慣れるまでは時間が掛かり私にとって大きな出来事だったのよね。
 今にして思えば、お兄ちゃんが中学生になって妹とお風呂に入ることに抵抗を覚えたことは何となく分かるのだけど。
 でも、お兄ちゃんはずっと優しいからな、名古屋にいた頃は二人でお留守番することも有ったけど、お兄ちゃんがいれば全然寂しくなかった。
 う~ん、お兄ちゃんとしてはどうだったのだろう。
 私は甘えていれば良かったのだけど…。

「ねえ、おにいちゃん、ちっちゃい頃から私の面倒を見てくれてたけど嫌じゃなかったの?」
「嫌な訳ないだろ、大切な妹なのだから。」
「う~ん、ペットを飼うみたいな?」
「まさか、落ち着いて来たからペットを飼う話はしてるけど、妹はペットじゃないよ。」
「何処が違う?」
「そうだな、日本語を理解出来るし、花鈴はずっと良い子だったろ。」
「そんなに良い子だったかしら、色々やらかしたと思うのだけど。」
「ちっちゃかったのだから色々やらかして当たりまえさ、そのフォローを出来たのは兄として誇らしかった、小学生の内はまだ大丈夫だぞ。」
「もうちっちゃくないのだけど、中学生なったらダメってこと?」
「駄目だな、中学校では俺の妹として見られるから数学で零点とかだとかなりやばいかも知れない。」
「そ、それは無いと思うけど…、お兄ちゃんのこと全然知らなかったのかな。」
「小学生ならそれが当たり前さ、でも少しずつ他の人のことを考えられる様になって欲しいかも。」
「そうね…、考えてみる。」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。