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日記-05 [花鈴-01]

「花鈴は人に見せられない様なことを日記に書くつもりなのか?」
「日記は何となく書いてみようと思ったのだけど…、人に見せない日記や、人に読んで貰うための日記も有るのでしょ、良く分からないわ。」
「まずは家族が普通に読める日記にしておいて、俺達に見せたくない秘密のは別で書けば良いよ。」
「そんな隠し事はないのだけど。」
「この先は分からないだろ。」
「お兄ちゃんには私達に秘密にしてることが有るの?」
「大したことではないけど、それなりにね、うちは家族四人がリビングで過ごす時間が長いから少ない方だと思う。」
「そうなの?」
「父さんと母さんは家族の時間を大切にしたくて、この家もリビングを中心にした間取りにしたんだ。
 名古屋の家もそうだったろ。」
「言われてみれば、友達の家とは少し違うみたいね。」
「俺の反抗期をどう過ごすかが課題だと言われていたけど、リビングに居ても学校の学習に取り組んでいるかパソコンでプログラミングとかの趣味に没頭してたから問題なかったな。」
「愛着の有るパソコンなのでしょ、新しいパソコンにする意味は有ったの?」
「勿論さ、新しいパソコンは処理速度が全然違う、お父さんは無駄遣いしないが必要だと判断したら安物は買わない。
 まあ、お父さんとお母さんに新しいパソコンの必要性をプレゼンした時には花鈴も利用したけど。」
「えっ?」
「花鈴はもうパソコンを使いこなし始めてる、もう専用のパソコンを持って良いと思ったんだ。
 俺が自分専用のパソコンを買って貰ったのは六年生になった時、花鈴には一年早い代わりに俺のお下がり、でも俺のアドバイスを受けられると。」
「良く分からないけど、新しいパソコンは交渉の結果苦労して手に入れたのね。」
「そうでも無い、お父さんは俺のスキルを理解してくれてるからな。
 高校進学の話もしたのだけど、ここから時間を掛けて通学したり寮生活をするより通信制の高校や大学が良いと話したんだ。」
「有名な大学は目指さないの?」
「そんなことに無駄な時間を使うより、お父さんの会社について学び、社長として必要な知識を学んだり、取引先の人と交流した方が良いと思わないか?」
「う~ん、良く分からないけど…、お父さんの跡を継ぐ気満々なのね。」
「その可能性は高いが、自分の能力が低かったら優秀な人に社長は任せた方が良いんだ。
 ただ、お爺ちゃんが立ち上げた会社をお父さんが引き継いで大きくしただろ。
 次は自分がって気にはなってる、工場とかも見学させて貰って楽しかったからな。」
「そっか、お兄ちゃんがそんな先のことまで考えてるとは思って無かったけど、流石は我が兄と言った所かしら。」
「通信制の選択はお母さんも喜んでくれてね。
 そんな流れで普通の中学生が持ってないレベルのパソコンなのさ。」
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