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日記-04 [花鈴-01]

『今日からお兄ちゃんが使ってたパソコンは私専用になる。
 お兄ちゃんは自分のデータを移し終えたパソコンで使うコツを教えてくれた。』
 待てよ、日記にはお兄ちゃんと書くか兄と書くかどちらが正解だろう。
 お兄ちゃんは自然だけど幼稚かも、兄だと固い感じがする。
「ねえ、お兄ちゃん、日記に書く時はお兄ちゃんか兄、どっちが良い?」
「どっちでも良いよ、花鈴的にはどうなんだ?」
「お兄ちゃんって書くのは幼稚だと思って。」
「そんなこと、小学生だから気にしなくて良いさ。」
「でも、お兄ちゃんは中学二年生なった頃から、私を大人扱いしようとしてなかった?」
「はは、流石に気付いてたか。
 花鈴は学習に前向きに取り組んでいるし、俺が甘やかしてたのに真っ直ぐ育って、今度中三になる同級生より大人だよ。
 自分が大人扱いされたい年頃になったのに、妹を子ども扱いし続けるのもどうかと思ってね。
 勿論甘えたい時は甘えて良いのだからな。」
「そっか、反抗期とは関係ないの?」
「はは、関係有るかな、反抗期のことはお母さんに教えて貰ったのか?」
「うん、お兄ちゃんがお母さんと話さなくなって、機嫌が悪いのは親離れの正常な形だとね。
 遺伝のこととかも色々教えて貰えて楽しかったよ。」
「どこまで教えられたのかは聞かないでおく。」
「でもさ、私ももう少ししたら反抗期になるのかな?」
「大好きなお父さんのことを、ぼろくそに貶す花鈴を見てみたいものだ。」
「え~、そんな風になっちゃの?」
「花鈴なら大丈夫さ、適度な距離を置く様に心掛けて、親では無く人生の先輩と考えて接する様にしていれば親子喧嘩は回避出来るし、パソコンを買って貰えたりもする。」
「大人だな~。」
「まあな、大人と子どもについて色々考えた結果だ。
 花鈴は急いで大人になる必要はないのだぞ。」
「ふふ、まだ全然子どもだよ。」
「パソコンのカスタマイズは進めたのか?」
「その前に日記を書こうと思ってね、パソコンで下書きして日記帳に清書しようかと。」
「そうだなパソコンは便利だが、手書きの日記は味わいが有ると思うよ。」
「お兄ちゃんも日記を書いてるの?」
「単純な記録をパソコンにというかネット上にね、ところで妹の日記は兄が見ても良いのか?」
「う~ん、今は問題ないけど…、読者としてお兄ちゃんを意識して書く日記ってどうなのかしら。」
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