SSブログ

近衛予備隊-445 [高校生バトル-87]

「千年女王?」
「詩織さまの神格化を少しずつ高めて行き、そのまま永遠に女王でいて頂く計画が進んでいてね。
 いずれはバーチャル女王になるのだけど、それでも今と大差ないだろ。」
「映像以外で一般人の前に出られることは少ないものね。」
「政治は摂政が行えば良いのだが、摂政が一人で判断する必要もない。
 詩織さまに見守っていて頂いて、自分だけでなく王子や王女が政治を執り行って行くシステム、王家は定期的に新しい王子王女を迎えることが前提だが、皆で理想の国家像を考えて行く。
 王家さえしっかりしていれば良い国家運営を続けられるだろ。」
「逆に言えば王家内で揉めてそのシステムが崩壊した時が問題ね、民主主義なら自分達のリーダーに問題が有った時は法的に交代させられるのだけど、その辺りはどうなの?」
「確かに王家が間違ったことをしても女王は変わらない、王家が反省出来るかどうかが問題だな。
 ただ、お年寄りが政治の中枢に居座り続ける国よりはマシになると思うんだ。
 王子王女は年齢などに関わらず同格とし詩織さまの教えから離れないと言うのが前提、そんな宗教的国家が国民の為に一貫した政策を続けることが出来たら、一人の指導者の思惑だけで揺れ動き、指導者が失脚したら全く別の政策となってしまう民主主義国家よりはマシだろう。」
「王子王女の人選を選挙によらない所がポイントなのよね。」
「ああ、詩織さまの教えから外れる人は受け入れられないからな。」
「宗教的な国家運営か…。」
「アビュニス王国の国民が女王に対する想いは宗教以上みたいだろ。」
「宗教以上?」
「ほとんどの国民が女王に守られて生活している、宗教団体は寄付を求めるが、アビュニス王国は求めない、普通に働いて給料を受け取っていれば女神でもある女王に奉仕していることになるからな。
 給料は周辺国と比べて凄く良いとは言えないが、国家イコール会社なので会社が普通に利益を上げていれば税金は発生しない。
 それでもインフラ整備は進み、街はより綺麗になっている。
 会社の利益が減ればその辺りの予算は削られるのだろうがシェリルは上手くやってるよ。」
「小国だから出来ることよね。
 シェリルは国に対して不満が有れば気軽に言えるシステムを用意したけど全然利用されないと嘆いていたわ。」
「みたいだな、我が国で税金を無くすことは出来ないし、不満を受け付け始めたらキリがないだろう。
 ほとんどの国民が一企業の社員というアビュニス王国の状態を目指したくは有るが、社会主義国家の崩壊を学習したから考えにくいんだ。
 王国エリアの状態を少しずつ広げて行くのが無難だな。」
「そうね、うちの会社関係者は給料から税金を差し引かれているから、アビュニス王国と同じだと思われているものね、実際は税金の計算をしなくて良いアビュニス王国の方が遥かに効率的なのだけど。
「それで、千年掛けて税金に相当する部分は労働に組み込まれる、そんな社会を築き上げて行くの?」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。