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近衛予備隊-443 [高校生バトル-87]

「王国への移行は急ぐ必要は有りませんでしたのでじっくり準備を進めて来ましたが、タリート共和国の話が進んでいますので、今が良いタイミングかと思います。」
「あそこは王国になることが決まりそうなの?」
「ええ、国民の多くは詩織の信者です、今のリーダーは経済的に弱い国がバラバラでは発展は無いと考えています、あの大国が怪しげな動きを続けていることも有りまして。」
「そうね、無視出来ない存在、自国の利益の為に小国を食い潰しかねないものね。」
「タリート共和国では、詩織を中心にこのエリアの国々がもっと協力し合うべきだと訴えて、国民投票を実施します、それに合わせて我が国もと。」
「アビュニス王国の女王としては大したことをしていないのだけど。」
「それで充分なのですよ、勿論、詩織の負担を増やさないことはタリート共和国でも確約済みです。
 アビュニス王国同様、訪問は気が向いたら、国の記念日などにテレビを通してメッセージを送って下さるだけで充分なのです。」
「それでも女王を必要とする感覚はね…。」
「心の拠り所なのだと思います。
 宗教が担って来た役割なのかも知れませんが…、王家の残る国々には王家に対して敬愛の念が有る国民が少なからず存在するみたいです、それが共和国では大統領なのかも知れません。
 そんな敬愛出来る存在を持たない人達は、女神でも有る詩織が自分達の女王で有ったならと想うのです。」
「リーダーとは少し違うのよね…、シンボルとしての自覚は有るけど…。
 タリート国と仲良くやって行けるのなら、それが一番ね。」
「他の周辺諸国も今まで以上に仲良くやって行きたいと考えていまして、出て来たのが、このエリアで詩織に因んだ名称の共同体を発足させることです。」
「共同体の活動内容にもよるけど、このエリアの安定と発展は近衛隊と共に考えて来たことだから否定出来ないわね、それで私の立場は?」
「実質的な指導者から名誉職まで詩織さま次第です。
 各国で展開しているマーケットの現地法人は、利益をその国に投資する姿勢を変えていませんので、経済面での指導を期待されている様ですが。」
「そうね、近衛からの報告では我が社に好意的な国と、そうで無い国に分かれているのよね。
 我が社に好意的な国は、既にまとまり始めてるのでしょ?」
「はい、そこが核になると思いますが、会社のマーケット展開に対する思いと詩織に対する思いは別物の様です。
 どの国のマーケットにも詩織の写真が飾られていますが、我が国同様、写真に対して拝んだりする人が多いと聞いていますので。
 マーケットが礼拝所の役目も兼ねるとは、マーケットのスタート時には思ってもみなかったことです。」
「そんな感じなのか…、近衛隊の担当者はそれを狙ってたのかしら。」
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