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近衛予備隊-437 [高校生バトル-86]

 王立高等学校では遠江大学教育学部からの申し出を受け、基本カリキュラムの見直しを始めた。
 遠江大学が用意してくれた講義の確認も始まったが、ネットで閲覧出来る講義は整理されていて、そこから生徒たちは自分の判断で選び、学習に役立て始めている、ただ、若干の不満も。

「ジョン、高校生達は遠江大学の組んだ講義に満足していないと聞いたけどどうなの?」
「ええ、必要としてる知識に差が有る様です。
 詩織は漠然と三角関数を学んでいたのでは無いですか?」
「そうね、特に学習する必要性は無く、数学の学習範囲だったから取り組んだと言う感じかしら。」
「うちで三角関数に取り組む子は、測量をマスターしたいのです。
 その実践的な所を中心に学びたいのですよ。」
「そうだったわね、遠江大学のは大学入試問題を起点として構築されてるから、ここの高校生には合わないのかも…、電気関係もそうでしょ?」
「ええ、実際に電気関連で働くことを考えたら物足らないみたいです。」
「実務に関する学習は日本より進んでいるのだと、遠江大学の関係者に気付かせる必要が有るわね。」
「担当者に説明させましょうか?」
「単に説明するのでは面白くないし、ここの子を舐めてる輩もいそうだから、こちらの大学で問題を作ったり講義映像を作成するのはどう?」
「それは可能です。」
「遠江大学で組んだものに、ここの子達が作成したものを加えて行きましょう。
 ジョン、遠江大学に対して何時までも受け身のままでは行けないのよ。
 遠江大学から提示されたものに対し、問題意識を持てる所まで子ども達は成長してるのだからね。」
「そうですね、詩織の提案から始まったここの学校教育システムも彼らが参考にしたいと言ってくれる様になりましたし。
 生徒達にはこれまで以上に、受け身ではなく自分から取り組む学習を実践して貰いましょう。」
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