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近衛予備隊-434 [高校生バトル-86]

「大学生が検討ですか…、ここの大学に入るには王立高等学校に入学しそれなりの実績を上げるか、留学して来るかしか無いと聞きましたが、ある意味ハードルが高いですよね。」
「留学生は大学の推薦が有れば簡単な試験だけで学籍を得られます。
 また、大きな実績の有る研究者が希望して下されば審査だけで比較的簡単に学籍を得られます。
 工学部で研究している教授には学籍が有るのですよ。」
「教授が学生でも有ると?」
「そこに大したメリットは無いのですが、共に学び共に研究するのが大学のモットー、その意識を持って学生と接して行きたいと言う教授側からの提案だったのです。」
「大学教授と言ってもピンキリですから、彼らのプライドがそうさせたとか…。
 工学部の研究職には充分な報酬を?」
「勿論です、工学部は会社の研究施設でも有りますから。
 佐伯学長は宮殿の敷地を拡げ、工学部の施設をそこに建てて行くことを考えているのですよ。」
「わざわざ敷地を拡げてまで宮殿内に建てる意味は有るのですか?」
「一つは宮殿をより立派にすること、観光の目玉なので外観に拘ります。
 一つはそこで研究する人の権威づけ、清掃担当者でも宮殿内で働いていることで一目置かれているぐらいなので、研究者の存在をより国民に印象付ける狙いが有るのです。
 形式上は女王が認めた研究者ですからね。」
「工学部の研究者は実績を上げているのですか?」
「ええ、発電や送電関連でこの国の実情に合わせた設備を開発してくれました。
 高校生が考えた簡易発電機の実用性を高める手伝いもしてくれています。
 他に工場のシステムなど実用的な研究をして貰っていますが、一つのテーマは化石燃料からの脱却です。」
「あっ、オリジナルの電動自転車はその成果なのですね。
 全くペダルをこがなくても走れるしペダルをこいで充電も、非常時はその電気を色々使える様にして有ってなかなかな物だと思いました。」
「長い坂道を下る時は充電することがブレーキ代わりになりスピードが上り過ぎることを防げます。
 技術面は日本の関連企業に手伝って貰いましたが、量産し輸出を目論んでいるのですよ。
 今はデータを取って改良を試みています。」
「バッテリースタンドではバッテリーを簡単に交換して貰えますので楽でした。
 多くのバッテリースタンドは自前の小規模発電所で発電し充電しているのですね。」
「ええ、電気自動車の普及をイメージした準備段階でも有ります。
 自動車の場合、バッテリーを交換するスタイルにはならなさそうなので難しいですが、幾つかのバッテリースタンドでは電気自動車の充電を出来る様にして有り、少しずつ導入されている電気自動車に対応しています。」
「化石燃料を使わない自動車が普及すれば、エネルギー事情は安定するのですね?」
「簡単なことでは有りませんが、観光客に向けてのアピールにもなります。
 まずは王国内でくさい排気ガスを出す車両をなくすことが目標なのです。」
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