SSブログ

近衛予備隊-426 [高校生バトル-85]

「意識の高い子達が詩織さまに忠誠を誓い、大統領に守られていると優しい組織になるのですね。
 日本にも意識の高い子は居ますが、環境が彼らを残念な気持ちにさせてると思います。」
「椙山亮二には会いましたか?」
「ええ、日本の教育環境では彼の可能性を伸ばすどころか潰しかねなかったでしょう。
 彼の父親とも話をしたのですが同意見でした。」
「今の所、彼の様な存在は我が国で報告されていないのですが、この国には現れないのでしょうか?」
「私は色々な人の話から、大統領はとても特別な才能をお持ちでしたので詩織さまに見出されたのだと確信していますよ。」
「そこまで特別だとは思っていませんでしたが、言われてみれば亮二とは違う才能が、う~ん…、もしかすると高い能力の持ち主が埋もれているのかも知れません、見出される環境がなく教育が充実していなかったら、高い才能が活かされないままになってしまいそうです。
 自分は近衛予備隊が無かったら山猿のままでした。
 貧乏なまま町へ働きに出ても大した生活は送れなかったと思います。
 詩織さまが国を改革して下さったとしても…、それこそ底辺で埋もれていたでしょう。」
「大統領程の才能が有れば何らかの分野で頭角を現されたのではないですか?」
「いえ、近衛予備隊で学ばなかったら、ただの労働者になっていたかと、自己アピールの仕方一つを取っても予備隊で学んだことですから。」
「大統領の資質を持つ人がどれぐらい居るのか分かりませんが、その資質を持っていても学習する機会がなかったら、学習する機会が有っても、大統領になれるのは一国に一人ですものね。」
「たまたま詩織さまがここを拠点に選び、たまたま自分達の村で近衛予備隊の募集をした、考えてみると自分が大統領になれたのは、限りなく偶然の産物なのだと改めて思います。」
「そこまで偶然でなくとも、今の教育環境を維持していれば、実力を発揮し活躍している近衛予備隊隊員に続く子も育って行きそうですね。
 ただ、才能を見出す視点を、学校の教員達は持っているのでしょうか?」
「基本的には分かっていると思いますが、より柔軟な視点で子どもの長所を見つける様に話しておきます、子ども達に自信を持たせるのも教師の役目ですので。」
「ですね、子どもの才能に気付き、それを輝かせる、それが例え小さな才能で目立つことは無いレベルで有ったとしても、教師にはそんな意識を持って貰いたいのですが、日本では残念ながら。」
「子どもと接していればそれなり気付けるのでは有りませんか?」
「真面目な教師もいますが、評価や雑事に時間を取られ、子どもとあまり接してない教師は少なくないのです、教員の数も理想には程遠いので、子ども同士の大きなトラブルに気付けないのです。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。