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近衛予備隊-425 [高校生バトル-85]

「宮殿エリア内に建てられたものには大人も子どもも興味が有り、あの目立つ建物は何かと尋ねると会社の情報システム部門だと教えられます。
 大人でもコンピューター関連について知らない人は多いので、更に詳しい説明を求める人もいるのだとか、シンボルにはそんな意味合いも有るのです。」
「成程、少なくとも自分とは違った次元の仕事をしている人達がいると理解して貰うのですね。
 ですが、子ども達は良く分からないシステムエンジニアより、近衛予備隊に憧れてるみたいです。」
「それには隊服に対する憧れが有ります、その隊服も有る意味シンボルなのですが、勿論予備隊のメンバーがそれだけの働きをしてくれているからです。」
「十代で有りながら災害時にも活躍してると聞きましたが。」
「ええ、国軍の幹部と連絡を取り合いながら、時には国軍を動かすことも有ります、メインは国軍のサポートですが。」
「近衛隊は動かないのですか?」
「詩織近衛隊は詩織さまの指示を受けて会社の国際展開を担うのが本来の任務です。
 その過程で近衛予備隊の指導に取り組んでくれましたが、今はこの国の雑事から手を引き我が社の貿易部門に専念、全く役割が違うのです。
 大きな目標はこのエリア全体の経済的な底上げですから一国の災害に関わることは有りません。」
「そうでしたか、私にとって近衛隊は謎の組織でしたので。」
「初期は各国の民衆に受け入れて貰う為にパフォーマンスを行っていましたが、このエリアでは詩織さまの近衛隊として知名度が上がりましたのでその必要は無くなっています。
 小規模なパフォーマンスは趣味の範囲で続けられていますが、本業は経済活動の活性化、各国で成果を上げていますので、詩織さまの人気を高めることに貢献しています。」
「そんな活躍をしてる近衛隊に、近衛予備隊から入隊する子もいるのですか?」
「ええ、多くは無いですが実習で近衛隊のサポートをし、そこで認められた子が入隊しています。」
「そんなエリートはさぞかし鼻が高いのでしょうね。」
「いえ、近衛隊に入隊した子は近衛隊に就職したと考えていまして、休みの日には近衛予備隊の隊服を着て予備隊のプログラムに参加しています。
 彼らは永遠に近衛予備隊の隊員で有り続けたいと考えているのですよ。」
「そう言うものなのですか…。」
「近衛隊と近衛予備隊は詩織さまに忠誠を誓うことは同じですが、隊の根本的な目的が違います。
 近衛隊に入隊した子達より優秀な子は幾らでもいますので、変なエリートは意識はないのです。」
「名誉なことでは有るのですよね?」
「どうでしょう、普通に就職すれば直ぐに管理職が見えて来ますが、近衛隊では新兵に過ぎません。
 新兵でも仕事を通して学べる内容は確実多いので、近衛隊で体験したことを近衛予備隊メンバーに伝えてくれてはいますが。」
「何か良い子ばかりなのですね、そうでは無い子はいないのですか?」
「初期メンバーにはそれなりにいましたが、入隊条件を高めて来ましたので今は少ないです。
 たまに道を外れる子もいるのですが、頭の悪い子では有りませんので仲間に助けられ、それなりに立ち直り働いていると聞いています。」
「近衛予備隊の絆は強いと感じてはいましたが…、それはどの様に培われたものなのでしょう?」
「彼らは素直で真っすぐなのです、十二歳で入隊試験を受けられることにしたのは、その素直さを大切にしたいと言う意味も有ったのです。
 それで問題は有りませんでしたので、王立高等学校になってからも変えていません。
 学習に真面目に取り組んで来た素直な子達を、素敵な先輩達が導くのです。」
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