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近衛予備隊-424 [高校生バトル-85]

「子どもは友達と遊んでいれば何でもないことでも楽しいのではないのですか?」
「ですが、遊びの時間だけでなく学習の時間も楽しそうで、教師たちの試行錯誤の結果なのかも知れませんが、時間配分や学習方法に工夫がなされていると感じました。
 自習時間の後半に子ども同士教え合っている姿が微笑ましくて、小学校でもライバルと協力しながら学び競い合うと教えているのですね。」
「近衛予備隊出身の教員にとって、その様な指導は当たり前のことで、競い合ってはいますが子ども達は目標を先に置いている筈です。」
「日本には学習課題をクリアしたら先に進めると言う発想がないのです。
 与えられた課題に対するテストは行われますが、その理解度や点数に関係なく次へ進むのが一般的で、学校へ一年通ったら進級し卒業となります。
 私が見学させて貰った小学校が成功してると感じたのは、子ども達の多くが自ら先へ進もうと考えていたからで、彼らにそう思わせてる教師の力量も高いのでしょう。」
「彼らは教師が教える技術を高めるより、子ども達がゲーム感覚で学習に取り組み、もっと上を目指したいと思える環境を整えることの方が効率的だと考えています。
 パソコンを使える環境をもっと充実させたいのですが、少しハングリーな環境も必要だと現場から言われましてね、彼らなりの予算を無理に組まなくても良いという優しさでも有るのですが。」
「パソコンを利用した学習に憧れてる子が、パソコンを利用する権利を得るために学習を頑張ると言う構図は悪くないです。
 小学校では交代で使うぐらいが調度良いのでしょう、もっと自由に使いたい子は高校を目指して頑張るのですね。」
「ええ、高校では自分達で稼いだお金を使ってパソコンを手に入れる子もいますので助かっています。
 古いパソコンも使われていますが、タイピングの練習やワープロ機能を使うだけなら問題はなく、パソコンの維持管理も彼らにとっては学習の一環、日本から中古パソコンを寄付して貰えなかったら、パソコン学習はここまで進みませんでした。」
「パソコン学習に力を入れてるのですね。」
「勿論です、国際社会でも通用するレベルの子を増やして行かないと国力は上がりません。」
「それで、佐伯学長はシステムエンジニアの育成に力を入れておられるのですね。」
「彼は単純に会社でシステムエンジニアが足りなくなると考えてるだけかも知れませんが、観光産業で何とか立て直した国の経済を今後も伸ばして行くとなると、力の有る技術者育成は不可欠だと考えています。
 子ども達は高校生になって初めてシステムエンジニアやプログラマーと言う職業の存在を知ります。
 そこから、それらの職業を目指して貰うには、シンボルにも成る立派な建物を建て、力を入れていると感じさせる必要が有ったのです。」
「あの綺麗なオフィスにはそんな背景が有ったのですか…。」
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