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近衛予備隊-421 [高校生バトル-85]

 日本から遠江大学教育学部の関係者が王宮を訪れ会食する予定が有ったので、佐伯学長との話は色々参考になると思っていたのだが…。

「大統領、我々は学校の運営にとても興味が有り、王立大学の教育学部と交流して来たのですが、遊びも兼ねて見学させて貰いに来たのです。」
「そうでしたか、遠江大学の皆さんにはとてもお世話になっていまして感謝し切れないです。」
「いえ、我々としては子どもを評価しない学校がどうなのかが気になっていまして、教育の在り方を研究させて頂いてます。」
「まだ完成された学校制度だとは思っていませんので、参考になるのかどうか。
 詩織さまの指示に沿って整えられた制度ですが、日本の教育制度とは随分違うと聞いています。」
「ええ、日本人は評価したがる人種なのか、小学生に対してもテストをし点数を付けて優劣を示してるのです。」
「子どもを評価して何か意味が有るのですか?」
「高得点の子やその親が優越感に浸れるのですが、その程度でしょうか。
 ここの試験は次に進む権利を得るための試験で有り、子ども達が競い合うゲーム的要素が加えられ学習意欲を掻き立てるもの。
 それ以外にテストは行われず教師は子ども達を評価しない、する必要が無いのですよね。
 日本の小学校では教師が多忙だと話題になっているのですが、彼らは子どもと向き合う時間より、子ども達のテスト結果を評価したり雑事に追われている時間が多いのです。
 評価をしても、頭の良い子は内容の薄い授業に退屈し、理解力の弱い子は授業について行けず退屈している状況に変わりはないのですけどね。
 実際にここでの授業風景などを見させて頂きましたが、細かく分けられた進級試験を通った子で構成されるクラスは理解力が同程度の子で構成されていますので教師も全員を退屈させない授業が出来、しかも授業形式の時間は短く、自学自習能力を身に着けさせることを目的とした自習時間を充分に取った上で、それが教師や先輩に質問出来る形にして有ることの意味は大きいと思います。」
「自分が近衛予備隊に入隊してから、基本的には変わっていないのですが。」
「近衛予備隊が高等学校となり生徒を増やし続けてると聞いていますが、それはこの自由な学習システム有ってのことだと思います。
 十一歳ぐらいの子が日本では十四歳ぐらいで学習する内容に普通に取り組んでいますし、十五歳の子が基礎計算練習に取り組んでいても何の違和感がない。
 日本の教育に関わってる連中の馬鹿さ加減を改めて感じました。」
「それは…。」
「日本の十五歳は基礎計算が怪しくても数学の授業を受けさせられるのです、勿論理解出来ません。
 全く理解出来ない授業を受けさせられ、寝てたら怒られるのです。」
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