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近衛予備隊-418 [高校生バトル-84]

「佐伯学長の指示で建てられた丘の上に見えるシステムエンジニア関連部門の建物も宮殿らしい装飾が好評ですが、もう稼働しているのですか?」
「ああ、大学の事務局は元々小規模だから建物の完成前から使用を始めている、他もパソコンやサーバーの搬入が済んで、今は大学生達が使い勝手を調べてる段階、問題が無ければ日本から移住したがってる社員を少しずつ呼び寄せることになる。
 まあ、パソコンさえまともに動いてくれてれば何とでもなるのだけどな。」
「移住して来る社員の規模はどの程度を想定しているのです?」
「まずは十名程度、情報学部の学生を指導してくれることになっている。
 学生達は彼らに鍛えられ、OKが出た時点で我が社の社員となって貰うつもりだ。
 会社はシステムエンジニアやプログラマーを増やしているのだが、仕事が自然に増えてしまって、増員を頑張らないとブラックな職場になりそうでね。」
「そこまでの需要が有るのですか?」
「ああ、まだまだ伸びると思うから採用を強化して来たのだが、大卒を雇っても教育し直す必要の有る子もいるんだ。
 その点、ここでは大学生として教育しながら雇用して行けば良いだろ、実習で結果を出せた学生から社員として戦力になって貰う、学生の多くは既に働いているが調整出来るだろう。」
「給料が違うのですね。」
「私が指導してる子達にはそれなりの額を提示してある、頑張って力を付けられたらと、馬の鼻先にニンジンをぶら下げてる訳だが全員がニンジンにありつけることになるだろう。」
「今の雇用先で重宝されてる子もいると思いますが…。」
「それぞれがどんな仕事をしているのかは把握している、調整し円満に退社、気持ち良くうちで働いて貰うよ。」
「お手間を取らせてしまいますが、よろしくお願いします。」
「まだ、人数が少ないから大した手間でも無いよ。
 日本で大学生を採用となると、募集してから応募者との面談や採用試験とか色々有るのに、大学卒業後からの新人教育が必要で無駄が多過ぎるんだ。
 普通に戦力になりそうな学生でも、卒業まで待つ必要が有ってね。」
「実習の延長で雇用とは行かないのですか?」
「職種によってはアルバイトからの正式雇用もあるが、十四歳の子が実習で気に入られて就職なんて日本では有り得ないからな。」
「それでも学校には子ども達の就職先を監督して貰っていますからね。
 国軍から派遣された学校職員の仕事です。」
「監督する必要を感じさせることが有ったのか?」
「ええ、数件の報告を受けた後、監督制度を充実させる様に指示し、大統領令でパワハラ、セクハラなどをした者は即刑務所で重労働にと。」
「裁判は?」
「監督官が微妙だと感じた場合は裁判を行いますが、犯行が明白な事例ばかりだったのですよ。
 子どもだけでなく大人達の労働環境も改善させて行く必要が有りましたので。
 幸い、景気が良くなり始めたタイミングでしたので、真面目に働く気が有れば他の仕事を紹介出来ました。」
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