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近衛予備隊-413 [高校生バトル-84]

「大学内での留学生はどうなのです?」
「留学生サポート担当の学生は、学費や食住の費用を払ってくれるお客さんだと思ってるみたいだが、彼らは異文化と触れ合うと言う留学の意義を強く感じているそうだよ。
 自分達が経験して来た学校システムとは全く違うシステムの学校に対し、その欠点を見つけ出すことに躍起になってる奴もいるが、今は不登校児向けの学習環境構築に興味の有る子が引っ張っていて、学校の原点と理想を考えている。
 彼は日本の、我慢をさせ耐えさせる教育から得られるのは歪しかないと話してたよ。」
「そんなに我慢を強いているのですか?」
「少なくとも退屈な授業を受けてる子どもは沢山いるだろうな。
 子どもが授業に集中出来る時間なんて限られるだろ?」
「はい、義務教育では授業形式の時間を十五分前後としました。」
「その短さには小学校の授業見学に行った時に驚かされたが、もっと先生の話を聞きたいぐらいのタイミングで問題が出され自習中心の学習に変わるのは悪くないと思ったよ。
 先生への質問は自由だが、先生が質問者だけでなく全員を意識しながら質問に応えてたのは印象的だったな。」
「子ども達は他の子に対する先生の説明に聞き耳を立てているのです。
 基本的に単元クリアをゲーム感覚で競い合っていますので、授業形式の時間以上に集中しているのですよ。」
「他の子が何を教えられてるのか気になるのかな?」
「そんな所です、学習意欲の無い子でも、寝っ転がりながら話を耳にしてる内に時間が掛かっても単元をクリアして行くそうです。
 まあ、大きく成れば就職を考える様になり、学ぶことは自己責任だと気付く子がほとんどですが、それに気付けない子でも、肉体労働は出来ますので問題有りません。」
「留学生達は、その辺りの感覚について行けないみたいだよ。
 子どもに対しては、将来より良い生活を送れる様に大人が導くみたいな感覚が強過ぎるみたいで、肉体労働をかなり低く捉えていることもあってな。
 ここの子達には義務教育内容以外は学ばなくて良いと言う選択肢が有るし、義務教育内容は簡単で、普通の子には然程負担にならないだろ。
 だが日本の子達はテストの成績が悪いと色々嫌な思いをさせられる。
 能力の低い子は学校生活で嫌なことを沢山経験し、社会に出てからも差別されかねないのだよ。」
「正直言って能力の低い子を増やしたくは無いのですが、自分も実際に相手してみて色々覚えさせるのは難しいと感じることも有りました。
 それでも、人として素敵に育ってくれたら問題無いと思っています。」
「そこだよな、学力以上に人としての資質を高めることに力を入れていると感じた。
 大統領からの指示が学校に浸透してるとね。」
「大統領からと言うよりは、近衛予備隊総司令官からの指示としています。
 現場の連中にとって肩書には意味が有るのですよ。」
「その辺りのことは私も理解し切れていないのだが…。」
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