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近衛予備隊-409 [高校生バトル-83]

 当初は寄せ集めで形作られた大学も学生達の頑張りで、それらしい物になりつつある。
 遠江大学メンバーから助言を受け試行錯誤して来た結果だが、大学運営を担う事務局と学生組織で有る大学祭実行委員会は、大学を成長させる両輪として互いに尊重し合い大学組織を強固なものに。
 こちらとしては賢人会議などの無理難題を押し付けて来た訳だが、それらが無理難題と受け止められることはなく、むしろ新たな課題を与えられることが喜びだと言わんばかりに取り組んで来てくれた。
 工学部の強化と言う当初からの課題は残っているが、パソコンが有れば研究も学習も出来る分野を中心に活動は活発、明日の教育を考える教育学部とも積極的に連携を取ってくれている様だ。

「ジョン、大学で留学生と話してたら…、私達の大学はかなり特殊なのね。」
「ああ、シャルロットが教育学部の学生になるのに試験は無かっただろ。」
「ええ、大統領夫人だから簡単に済ませてくれたのかも知れないけど。」
「いや、近衛予備隊で実績を上げていれば誰でも簡単に大学生になれる。
 自分も大統領職を退いたら教育学部の学生になろうと思ってるよ。」
「かなり先のことになりそうだけど、大学生になる資格は充分過ぎる程有るものね。
 日本からの留学生は大学入試が大変だったとかで、苦労して合格した大学は悪く無かったのだけど、ここへ留学して来て考えさせられてるそうよ。」
「そんな話は色々聞いている、本当に学ぶ気持ち研究する気持ちが有れば、大学のレベルに拘り過ぎる必要はなかったのだろう、ただ、日本で優良企業への就職を考えたら有名大学の方が有利なのだとか。
 我が国に大学は一つしかないし、学生の多くは既に就職しているから、彼らの価値観とは随分違うのだろうな。」
「義務教育課程に取り組む大人がいるぐらい教育が遅れていたのだけど、大学生は皆総合力が高くて、友達になった留学生は近衛予備隊、高等学校の教育内容に興味が有ると話してたわ、教官の人数が少ないこともね。」
「先輩が導いているからな、後輩に教えることによって自身の成長に繋がり、実習を通して社会を知り成長する、特別なシステムでは無いのだがな。」
「それは大統領からの、格好の良い大人になって欲しい、との言葉がどの学校でも重視され浸透した結果でも有ると思うの。
 人として格好の悪い行いをすると友達から窘められる、学校がそんな雰囲気になってるから、子ども達は学力に関係なく素敵に育ってるのよ。」
「そこは詩織さまのお蔭で学力が低くてもそれなりの収入になる仕事が有るからな。
 取り敢えず衣食住に関して貧困層の生活を改善して来た結果だ。」
「今後、要支援世帯は減らせそうなの?」
「働けない人に対しては支援を継続して行くことになり、今以上に減らすのは難しいだろう。
 ただ、働けていない人にも社会参加のチャンスを作って行きたいと、学生達は考えているよ。
 働けない理由を調査し直して、働く意思が有ったら出来る仕事を作り出して行こうとね。」
「ハンディを持つ人にも出来る仕事をと言うこと?」
「ああ、それはこの先人口が増えても失業率を上げないことを考えての取り組みでも有って、様々な可能性を考えていてくれるよ。」
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