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近衛予備隊-406 [高校生バトル-83]

「成程、軍事費を使って水害対策を押し進めるのね。」
「ええ、国軍を最強の土木工事部隊にしたいです。
 まだ荒れた土地が多いですから、そこを造り変えて行くことを国軍の訓練とします。」
「兵士はどう思うのかしら?」
「土木工事は暫く前までの人力頼りでは有りませんので受け入れてくれると思います、重機の扱いに慣れ現場で統率の取れた行動が取れることが一つの目標、工事で慣れれば災害復旧活動の効率も上がると思っています。」
「水害対策工事費としては充分な予算を取れなくても、軍事費としてなら問題無いのね。」
「はい、そこでも大学生に協力して貰います。
 大学生の頭脳と国軍の力が合わされば大工事も安心して進められます。
 新たに整備した土地で新たな産業を興すことも考えて貰えると思っています。」
「独裁者ジョンの命令とあれば誰も逆らえないのね。」
「別に国軍の兵士も大学生も自由ですから、無理して大統領の方針に従う必要はないです。
 ただ、大統領の仲間でいた方が楽しいと思ってくれてるみたいで。」
「そっか、それで仲間になりたくないと言ってた反政府組織は壊滅出来たの?」
「いえ、違法行為をしないで吠えてるだけの連中は放置して有ります、数は随分減りましたが。」
「一気に弾圧した方が独裁者らしいのに。」
「いえいえ、愛される独裁者を目指していますので。
 自分としては、論理的に破綻してる彼らが、この先どうなって行くのかに興味が有りまして。」
「社会学的な視点なのね、それでどうなりそう?」
「反政府組織でリーダーをしている人の子でも頭の良い子は親から離れています、高校生になった子もいるのですよ。」
「色々な意味で大丈夫?」
「個々の近況が伝わって来ませんので問題無く学習に取り組んでいるのでしょう。」
「親が刑務所で働いてる子もいるのよね?」
「ええ、高校生ぐらいだと、その方が伸び伸びと暮らせると思います。
 親から論理の破綻したイデオロギーを聞かされてるよりはマシだと思いませんか?」
「そうね、うちの高校生達は親が犯罪者だろうが何だろうが何の躊躇いもなく接するものね、それも近衛予備隊の隊長だったジョンの力かしら?」
「いえいえ、ひとえに詩織の教えによる所ですよ。」
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