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近衛予備隊-404 [高校生バトル-83]

 当初は想定していなかったのだが、大学祭実行委員会は学生全体をまとめる組織としても機能し始めている。
 大学祭だけに留まらず学生達のあらゆる活動に対する支援を目指しての活動は、大学運営チームとは異なる視点からのもので学生にとって心強いと思う。
 それだけに留まらず…。

「詩織、大学祭実行委員会から感謝のメッセージが届いていましたが、何かされたのですか?」
「彼らが頑張ってるから私のお小遣いから少し送金したのよ。
 彼らに託せば学生達の為に間違いなく活かしてくれるでしょ。」
「ですね、組織が拡大すると私利私欲に走る人が現れる確率が上がるそうですが、犯罪研究室ではその辺りの心理と不正行為を犯させない環境を考えていまして、大学祭実行委員会はその研究の場ともなっているのです、間違いは無いでしょう。」
「大学生らしい研究なのかしら?」
「ええ、彼らの中には不正行為の仕方を考えてる人もいるのです。」
「不正の方法が解れば、その対策を立て易いということかしら?」
「ええ、国の機関も少し気が緩んで来ていますので彼らにチェックをお願いしました。」
「大規模に?」
「はい、行政システムなどを研究している大学生にも協力して貰うことになりますが、その取りまとめは大学祭実行委員会に委ねることにしました。
 警察とは違う視点で見てくれると思います。」
「お祭りから随分離れることになるけど。」
「名称は兎も角、学生の為の組織として機能していますので安心なのです、全員が近衛予備隊の隊員ですので。
 取り敢えず、直ぐにバレる様な不正行為をしている人に向けて、直ちに名乗り出れば減刑するとの通達を出してからの予定で準備して貰っています。」
「バレない自信の有る人との対決になるのね。」
「少額だと見つけにくいかもですが、それなりの額を胡麻化して来た人を見つけ出したいですね。」
「そんなに不正が横行しているの?」
「いえ、表面化はしていませんが、もし不正行為を胡麻化し切れてる人がいたら、その能力は活かされるべきだと思いませんか?」
「刑務所でのただ働きは頭脳労働に?」
「本人次第です、最もシステム上、不正は行われていないことになっていますので、本当にないかも知れません。」
「不正をしている人の勝ちというパターンはどう?」
「犯罪研究室は色々考えていまして、まずは簡単な調査を行い不正行為が見つからなかったと発表しますが、それを受けて犯罪者の気が緩んだタイミングからが本番だそうです。
 犯罪研究室に勝ったと思ったら、それを誰かに話したくなると思いませんか?」
「そうね、でもそこで話したら小物だわ。」
「国の機関に肝の据わった大物の犯罪者が存在する確率は極めて低いですよ。
 もしいたら、大学生達がその処遇を考えるですが。」
「学生が考えるの?」
「ええ、それも含めての実習です。」
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