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近衛予備隊-403 [高校生バトル-83]

「大学祭は芸術学部の活動だけでは無いのでしょ。」
「ああ、教育学部の理科教育科と工学部が協力して、子どもを楽しませる実験を絡めた企画なども進めているよ、一つ一つが小規模なこともあって目立ってはいないが。」
「目立つ活動だから祭り、大学祭だと思っていたのだけど。」
「大学祭、一つの目的は大学の存在を広く知って貰うことだけど、必ずしも派手である必要はないんだ、小規模でも飾りつけに拘って祭りっぽくしてるが内容が大切でね。
 コンサートでは敢えて裏方を所属学部学科付きで紹介し大学祭らしさを演出してるそうだが、小規模なイベントでは、具体的にどんな研究をし何を学んでいると言った話も分かり易く簡単にしている。
 大人達も大学のことは分かって無いから興味を持って聞いてくれるのだとか、内容によっては自分達の仕事とも関係するからな。」
「大学祭を通して大人達との交流もしているのね。」
「少しずつだけどな、彼らは自分達の大学祭そのものを研究対象とし始めていて、我が国に大学が置かれた意味から見直し始めているよ、大統領に質問をして来るぐらいだから間違いない。
 そもそも海外では大学祭なるものを行っていない大学の方が多いそうだよ。」
「みたいね、切っ掛けは日本の留学生に教えられて、でしょ?」
「ああ、彼らが頼もしいのは、それを単に真似ようとせず、大学祭を通して国民に大学のことを知って貰う場にしようと考えてくれたことだ。
 大学祭の話が出てから自分も日本人スタッフに教えて貰ったのだが、日本では学生のお遊びばかりが目立つ大学が多いそうでね。」
「日本の人達は大学祭をどう捉えているのかしら?」
「どうだろうな、大学進学は就職に対して有利に、と言うことらしいが、就職前にのんびり暮らす場と考えてる学生もいるそうだから。」
「我が国でも大学生の方が就職に対して有利になって行くのかしら?」
「その可能性は有る、既に高校生を雇いたい雇用主は多いからな。
 これから、大学の認知度が上がれば…、う~ん、考えてみると微妙だな、既に就職してる子が多いし、芸術学部は趣味的要素が強く、教育学部は仕事の延長、工学部はすでに企業の傘下となってるだろ、就職とはあまり関係ないのかも。」
「大学祭実行委員会のメンバーはどうなの?」
「彼らが一般企業に就職すれば幹部候補だろうが、既にうちの会社が声を掛けてるからな。」
「大学祭実行委員会に入る様な子は、就職がとても有利なのね。」
「そうなるのか…、彼らに有利とかそんな意識は無いと思うが、先々のことは何とも言えないな。」
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