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近衛予備隊-396 [高校生バトル-82]

「亮二はどうです?」
「流体力学をメインに色々取り組んでいるが彼にとってはすべてが遊びの様だね。
 計算通りに体が動かないと嘆きながらも楽しんでるフットサルと同じなんだ。
 まあ、絵や音楽の才能は普通だそうで、少し安心したかな。」
「数学は?」
「遠江大学の数学科から面白いテーマを貰ったとかで、私に説明してくれた時は、さっぱり分からなくて、教育学部数学科の講師として数学教育に取り組んでいる大学生達に助言をお願いしたのが少し心配になったよ。」
「自分が理解することと人に教えることは別問題ですから仕方ないです。」
「それでも、高校生として『教える』に取り組み始めてから変わって来てるそうで、彼の助言が徐々に分かり易くなってるのだとか。」
「彼も学習して成長しているのですね。」
「ああ、聞けば『教える』に取り組む子達は、その実習を通して視野が広がり成長を実感させてくれるそうだな。」
「はい、人に教えるには、教える相手のことを考える必要が有ります。
 相手が理解出来ない事を一方的に説明しても、それは教えてるとは言えません。
 教えると言う行為によって子ども達は多くを学ぶのです。」
「それを教科として確立させたのはジョンの功績だと聞いたが?」
「いえいえ、たまたま自分が近衛予備隊のトップだっただけで皆の力です。
 自分としては教えることを教科として確立していない諸外国の方が不思議なのですが。
 それで、亮二は『教える』以外にどんな学習に取り組んでいるのですか?」
「今はどうかな、椙山氏の助言を受けてはいるが、基本本人が好きな様に決めている。
 講師としての時間以外を我々が制限しては行けないからな。
 他の高校生も必須教科以外は自由だろ?」
「はい、個人の特性に合わせ、出来れば学んで欲しいことを教師が示しますが基本自由、ただ、自分が就きたい仕事を考え、それに必要な知識を得て置こうと考える子が多いです。」
「それが良い伝統に成りつつあるとか?」
「伝統と言っても大した歴史は有りません。」
「そうだな、伝統も長く続くと怪しげな慣習とかが発生する。
 今は先輩が導くと言うスタイルが確立されて…、変な慣習を後輩に押し付けたりとかはないのか?」
「う~ん、自分が知ってるのは詩織さまを敬う儀式ぐらいで、特に害はないかと。」
「そのまま変な宗教が出来上がってしまうとかないよな?」
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