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近衛予備隊-395 [高校生バトル-82]

 表向き、大学は拡大しつつ有るのだが、3Dプリンターなどの機材を充実させている簡易発電研究所は兎も角、高校生達が趣味の延長で始めた文学部などは、詩織に言わせれば学生サークルレベルだとか、だが、まともな大学の文学部が何をどう研究してるのか自分達には全く分からないので問題ない。
 また、心理学部は体験的心理学と謳い歴史的に研究されて来た心理学とは一線を画すそうだ。
 心理学に関して少し調べてみたら難し過ぎたと言うのが本当の所なのだが、彼らなりに観光客を楽しませる心理トリックを考えてくれたりして結構役に立っている。
 高校生達にとって大学は未知のものだったが、お金の掛からない学部の設立に対する制限を殆ど作らなかった結果で、佐伯学長の方針に基づくもの。

「学長、詩織さまから文学部は学生サークルレベルだと言われましたが。」
「それで構わない、彼らは働いていて趣味の仲間を集めて立ち上げたのだからな。
 だいたい文学作品とは外国のものばかりだろ、そんなのを研究するより、自分達で文字による作品を生み出して行けば良いと話して有る、盗作にならない範囲で海外の文学作品を参考にして良いともね。
 文学作品を読み解くことに時間を掛けたとしても、そこから得られるものがどれ程のものなのか微妙だと思わないか?」
「自分には良く分かりませんが、心理学部もそんな感じなのですか?」
「ああ、私も分からないから心理学的なこと自由にやれば良いと話したら結果を出してくれたよ。
 彼らとしては心理学の本と向き合って挫折した結果なのだがね。」
「学部はこれからも増えて行くのでしょうか?」
「学部は増えないが学部内で学科は増えるだろう、それぞれの趣味の延長でね、所謂文系の学部はそれで良い、学生サークルレベルで構わないのさ。」
「それでも大学にとって必要なのですね?」
「勿論だ、彼らは自由だからね、仕事のストレスを癒す場となっていても構わない、全員が近衛予備隊の一員だから不真面目なことには考えない。
 ちなみに友人の職場環境改善を目指す研究室を立ち上げたいと言う話も来ているよ。
 どんな名称になるのか分からないが前向きに検討中だ。」
「う~ん、職場環境改善が友人から始まって広がれば面白いかもです。
 実際に職場環境を改善して貰いたいですね。」
「ああ、そのまま国の改革に繋がるのだからな。」
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