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近衛予備隊-389 [高校生バトル-81]

「まだ子どもですのでどの程度理解しているのか分かりませんが、友達に誘われ十五人家族の家に遊びに行ったとか話してくれます。
 日本には無い大家族が新鮮だったそうですが、当初の目的から外れ中学生のお姉さんとずっと話していたとか、すでに年齢関係無く多くの友達がいるからか、この国に対する不満は一切口にしません。
 たまに日本のことを思い出して怒っていますが。」
「安心しました、外国人スタッフの子達の中には馴染むのに時間が掛かった子もいましたので。
 彼の能力を最大限に活かして楽しく暮らして欲しいですが、ご存じの通り我が国の大学は立ち上がったばかりで息子さんの為に充分な環境を整えられないかも知れません。」
「そこが良いのですよ、その分自分の力で作って行けるでは有りませんか。
 がちがちに出来上がってる日本の学校では無用なルールが多過ぎて無駄だらけ、そこで無駄な時間を使ってるより、多少時間が掛かっても自分の力で切り開いて行く。
 息子は友達に教えて貰ったと、近衛予備隊や王国騎士団の活躍を話してくれまして、自分も王国騎士団を目指して高校に入ると言いながら、入学する為に必要なことを調べています。」
「合格出来そうですか?」
「最大の問題は年齢だとか、十二歳に成ったら絶対合格出来ると言っています。」
「そうでしたか、今までは飛び級的な制度を必要とする子の話が有りませんでしたので、特に考えていなかったのですが検討して貰います。
 なんなら息子さんに数学教育とかの研究室を開いて貰っても構わないのですが。」
「さすがにそれは…。」
「数学を高校生に教えてると聞きましたので、勿論無理にとは言いませんが、能力が有れば十歳の子が大学の研究室長でも問題ないと考えています、研究室の運営面は二十代の学生に任せれば良いのです。
 室長と言っても、週に一回教えるだけで良いのです、後は小中高の何処で学んでいようが遊んでいようが構いません。」
「真面目な話ですか?」
「勿論です、我が国の課題は理数系に強い子を増やして行くことなのですが、大学では直接営利事業に繋がったり、通常の教育に関係することを優先していましたので、ハイレベルな数学と言った分野はこれからなのです。」
「数学が得意と言ってもまだ高校卒業レベルなのですが。」
「学習が必要で有れば遠江大学教育学部数学科に協力して貰います。
 日本で著名な大学の先生方が参加してるそうで、きっと興味を持たれると思います。」
「数学教育のシンボル的存在にしたいと言うことですか?」
「ええ、ご迷惑でしょうか?」
「いえ、高校生レベルの数学は私でも助言出来ましたが、その先はさすがに難しいですので息子と相談してみます。
 その場合大学生になるのですか?」
「高校生でも大学生でも構いませんが、高校生の友達は増やして欲しいです、近衛予備隊で培われて来た様々なことに触れて感じて貰いたいです。
 我が国の教育は学力の向上だけを目指しているのでは有りませんので。」
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