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近衛予備隊-388 [高校生バトル-81]

 佐伯学長が直ぐに連絡を取って下さって、日本からの移住者である椙山さんと食事をすることに。

「椙山さんはこちらに来られて半年ほどと伺っていますが、生活には慣れましたか?」
「ええ、移住を手伝って下さった日本人スタッフのお蔭で快適に暮らしています。」
「お子さんは?」
「上の子はここの学校をすっかり気に入りいましてね、高校生と一緒に数学の問題を解いたり、同じ歳の子と自然観察、苦手なことを強要されることが無いのでのびのびと学習に取り組んでいます。」
「義務教育に関しては?」
「算数や語学などの大部分はテストに合格するだけで良かったので楽しんでクリアしていました。
 それ以外のことは彼なりに考えていまして、生きて行く為に必要なこと、この国の一員として知っておくべきことなのだと理解して取り組んでいる様で、この半年で随分成長したと感じます。」
「英語での生活に戸惑いは無かったのでしょうか?」
「それも彼にとっては一つの遊びです、こちらに来る前から英語学習はしていましたが、一日の大半を英語だけで過ごすのはとても刺激的で楽しいと、移住して来た直ぐに話していました。」
「特に優れた能力をお持ちのお子さんですが、その将来について何か考えているのですか?」
「全て本人次第です、息子は女王や大統領の活躍を知り憧れています、何かしら国の役に立てる仕事を選ぶのではないでしょうか、私もこの国の為に働きたいと考えています。」
「有難う御座います、ある意味若い国で改革の為の人材が…、労働者は居ても能力的に高い人材は乏しいのです。」
「その若さが私達にとって魅力的なのです、日本でスーパーへ買い物に行くと老人ばかりが目に付きましてね、社会制度を考えても老いた国だと感じていたのですが、ここは活気が違います。
 息子を通して高校生とも知り合えたのですが、彼らは国の将来を考え自分に何が出来るのかを考えています。
 そんな高校生、日本にはいても僅かでしょう。」
「高校生とも交流して下さっているのですね。」
「ええ、高校生だけでなく中学生や小学生とも、見た目だけでは誰が中学生なのか全く分からないのが愉快ですが、彼らはあまり気にしていないようです。」
「試験で負けて挫折を味わってる子もいますが、上を見てる子は中学生には成れます。
 王国で中学生になれれば就職先には困らないのですよ。」
「ローティーンの子でも将来を考えてるのには驚きました。」
「それだけ貧しい経験をして来たのです。
 王国の子達は随分生活改善されているのですが、彼らにはもっと上を目指して欲しいと思っています。
 お子さんは、日本との差をどう感じているのでしょう?」
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