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近衛予備隊-387 [高校生バトル-81]

「日本との違いですか?」
「ああ、ここでは皆、自分のペースで学習しているだろ、実際にノートを見せて貰ったが同じ十歳でも日本なら中学の学習内容まで進んでる子がいれば、足し算引き算の練習をしてる子もいる、だがどちらも学習に対して前向きだった。
 あっ、十歳の子が日本から留学と言うか親と共に来ているのは知ってたか?」
「いえ、どんな子なのです?」
「ギフテッドの子でな、数学を高校生に教えていたよ。
 日本の学校で色々嫌な経験したそうだ。」
「いじめられたとか?」
「ああ、教師からもね。
 小学校に入学して直ぐに算数の能力が周りの子と違い過ぎて、何故こんな簡単なことに長々と付き合わされなきゃいけないのかと感じてから、親も学校側に相談したそうだけど、日本の学校は特例を認めないんだ。
 周りの子ども達が自分と違うレベルの子を受け入れられなかったのは仕方のないことかも知れないが、教師も同様で、心の狭い日本人は少なく無いんだよ。」
「そうなのですか…。」
「不登校になったが教育は親でも出来る、だが社会性は必要だろ、それで色々調べている内にこの国の教育制度を知り、留学生からも情報を仕入れて見学に来たそうでね。」
「親の目から見た教育レベルに問題は無かったのでしょうか?」
「ジョンは自身が進めて来た教育制度改革にもっと自信を持って良いと思う。
 能力の高い子達はより上のレベルをゲーム感覚でクリアしようとし、そうで無い子達はそれなりに算数と向き合っている。
 算数教育は既に日本のレベルを超えてるのではないかな。
 不登校になってから英語の学習にも取り組み始めていた本人は、ここで一気に英語をマスターしたいと話したそうでね、両親もここが気に入って移住して来たのさ。」
「仕事は?」
「ネット環境が整っていれば大丈夫な仕事、小さくても大きな利益を上げてる会社の社長だよ。
 子どもの学校問題でつくづく日本が嫌になったそうでね。」
「う~ん、一度お会いしたいです。」
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