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近衛予備隊-383 [高校生バトル-81]

「まずは大学組織を固めて行く必要が有りそうだな、現場の人達は少しずつと考えているのかも知れないが、スピードアップしても良いと思うよ。」
「まだ、大学自体が拡大出来る状況に有りませんので。」
「無理に拡大する必要は無い、今の規模でしっかり形を作っておけば学生が増えても対応し易い。
 ジョンは学長とか考えているのか?」
「学長ですか…、近衛の担当者を学長と呼ぶのは少し違うと思っていますが、自分自身は近衛予備隊で受けた教育と、言わば現場教育で育って来ましたので、まだ大学のことを理解し切れていないのです。」
「私も大学を卒業した訳では無いのだが、詩織から王立大学の学長になって欲しいと言われていてね。
 システムエンジニアの育成に力を注ぎたいと言うことも有り引き受けようかと思っているのだが、ジョンはどう思う?」
「お願いしたいです、佐伯さんが大学のシンボルになって頂けるのなら、まとまりの有る組織になって行けそうです。」
「現状、問題点として思い浮かぶことは?」
「詩織さまのお父さまが学長になることに、大学関係者がどんな反応をするのかは分かりません。
 今はお金の出処が色々で大学職員を置くにしても調整がややこしくなっているそうです。
 でも、遠江王国王家の一員でも有る佐伯さんが学長になって下されば、すぐに解決するかと。」
「そう言うものなのか?」
「人々は強いリーダーを求めていまして、肩書も重要な要素なのです。
 大統領である自分と我が社の平社員が同じことを話した場合、受け止められ方は全く違います。」
「それは分かるが…、まあそう言うことで詩織は私を呼び寄せたのだろうな。」
「何か切っ掛けが有ったのですか?」
「遠江王国にいると来客が多くてね、詩織が拠点をここにしたのは正解だと感じていたのだが、自分の仕事を若手に引き継ぐタイミングだったんだ。
 会社の第一線からは退いてバックアップに回ることにしてね。
 まあ、詩織がたまにしか帰って来ないから、逆に私達がここに住むのも有りだとも考えたよ。」
「住まいはもっと広い家を用意出来ましたのに。」
「いや充分な広さが有る、部屋が六つもあるから全部使えないぐらいだ。
 広大な庭に隣接しているし、散歩コースやハイキングコースが充実していて満足してる。」
「歩くことが趣味ですか?」
「仕事中はパソコン画面を見てる時間が長かったからな。」
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