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近衛予備隊-380 [高校生バトル-80]

「鳥類研究室はどんな感じで運営を?」
「餌が貰える訳でも無いのに詩織さまの所に集まって来る鳥達、それに興味を持たれた海外の大学教授達が集まって開いた研究室を大学生が手伝っていると言った所です。
 学生達は鳥を通してこの国の自然を知って貰う活動にも取り組んでいます。」
「学生達はレポート提出とかしてるのかな?」
「そう言われてみれば、学生らしいことはしていないかも知れません。
 鳥類研究室は学生にとって趣味の範疇で、たまに詩織さまの姿を見られたらラッキーなのだとか。」
「卒業がないのなら学生を評価する必要もないと?」
「ええ、日本の大学では進級する為に試験をパスする必要が有るそうですが、そもそも学年と言う概念が有りませんので。」
「それだと学習に目標が無くて向上心を得られにくいのではないか?」
「向上心の有る子しか大学生にしていませんが、何を学んだのか対外的に分かり易くする為の資格試験を考えています。」
「成程、それを大学卒業資格の代わりにして企業が採用時の判断基準にするのだな。」
「ええ、鳥類に関する知識は資格と言うより名誉有る称号になりそうですが、今はどんな資格を用意しどんな資格試験を行うか検討している段階、ついでに裁判官任用試験なども見直しています。
 ただ、遅れている医学分野が一つの課題になっています。」
「医師の養成か…、ハードルが高そうだ。」
「はい、この国で信頼出来る医師は海外から来て下さっている方だけです。
 自国民で医者を名乗ってる人達は、知識も技術も怪しくて。」
「何か策を考えてるか?」
「医療実習生は医師の手伝いをしながら学んでいますが、学ぶべきことが多過ぎる様です。
 協力して下さっている医師の皆さんからは、早めに専門分野を決めることを検討しても良いのではとのアドバイスを頂いています。」
「医師になるには体全体のことを全部理解していないと駄目だから難しいと聞いたことが有る。」
「確かにそうなのですが、骨折の治療が出来ない歯医者がいても良いのだと。
 偏りそうですが、一つの症状から考えられる疾患を全て把握して行くと言った学習の積み重ねも有りだそうです。」
「う~ん、発熱から推測される疾患を全部把握するだけでも大変そうだが。」
「はい、取り敢えず発熱担当補助医などの資格を考えています。」
「すでに大学の学生は医学を学び始めているのだな。」
「いえ、医療実習生は高校生で、早い子で十三歳ぐらいから取り組んでいます。
 スタートは看護実習生と同じレベルですが、本人に能力が有り医者になろうと言う意思の有る子が医師から学んでいます、大学云々の話は彼らにとって意味は無く、既に医師の指導の下、患者を診ている子もいます。」
「十代でか?」
「ええ。」
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