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近衛予備隊-378 [高校生バトル-80]

「取り敢えず大学としての体裁を整えてる段階でそれぞれ試行錯誤をしているのですが、それにも助言を下さるのですか?」
「私は大学を卒業してないから何とも言えないが、この国にとって必要性が有って立ち上げられた大学だと言うことは理解しているし、他国の大学を真似する必要が無いこともね。
 日本の大学は就職の為に卒業資格を得ることがメインになっているが、王立大学に卒業はないのだろ?」
「はい、就職してからも国の最高学府に籍を置き続けることで、大学を利用して欲しいですし、後輩の面倒も見て貰いたいと考えています。
 大学生達は高校時代から先輩に導かれて成長し後輩にとっては良き先輩でしたので、今でも年齢に関係なく活発に交流、教育学部生は教育実習をしている高校生達と頻繁に情報交換をしています。」
「詩織は実験的教育と言っているが、成果は教えられる側だけでなく実習で教えてる高校生にも出ているそうだね。」
「はい、子ども達は若い実習生と直ぐに仲良く成ります、高校生は教育実習を通して自分に自信に持つようになると聞いています。
 教育実習がスムーズに進むよう子ども達も含め多くの人が協力してのことですが。」
「うん、『教える』を選択した高校生の映像を見せて貰ったが全然無理していないと感じたよ。
 やはり子ども達が年齢でなく到達度で分けられているから楽みたいだな。
 学習の部分で無駄が無いし、子ども達はテストで競い合ってるから短時間の授業でも自習をしっかりして結果が出せる。
 否、長いだけの授業には意味が無いだろう。」
「今後小学生と中学生に分け、中学生にはハイレベルな学習へと考えているのですが、理数系の教育は本格的に取り組み始めたばかりですので、小学生の算数からシステムエンジニアレベルまで繋げられるかどうか、現場の教員達も手探りの状態です。」
「まあ、その辺りのことも学生達と探らせて貰うよ。
 多様な職種が有るが、そのどれを選んでも普通に暮らせる社会を考えてると、詩織から聞かされているからな。」
「はい、国全体のバランスを取って行くことはなかなか難しいですが、貧困層を可能な限り減らして行きたいと考えています。」
「この国では我が社の力が圧倒的に強い、だからこそ我々には大きな責任が有るのだろ?」
「会社のトップが女王で、自分も大統領ですからね。
 でも、逆に言えば、我が社の意のままに国を動かせるのです。
 アビュニス王国は小国ですから既に会社と国が一体化しつつあるのですが、この共和国でもそれなりに。」
「反政府組織はどうなんだ?」
「かなり弱体化していまして、うちのマーケットで働いてる人もいますよ。」
「大丈夫なのか?」
「本人はマーケットで働きながら情報収集しているつもりですが、大統領親衛隊が密かに監視しています。」
「監視も大変だろ?」
「身分を隠してマーケットの店長をやってくれていますが、対観光客の売り上げを伸ばすことに成功していますので給料はアップ、ダブルワークで増え過ぎた収入を使って最新の監視装置を趣味として導入とか、頭の悪い反政府組織を相手に楽しんでる様です。」
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