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近衛予備隊-376 [高校生バトル-80]

 大学で運用を始めた講師マッチングシステムは理数系の高校生にも広げて行けそうだ。
 遠江大学で講師を募集した所、様々な分野から様々な理由での応募が沢山来ている、教える側も自らのスキルを上げたいと考えている様で、初期の報酬額が低くても構わない人ばかり。
 講師として人気が出れば、学生が使う単位時間や回数当たりのポイントが高くなり、そのまま報酬アップになるが、システムエンジニアでは応募者が多くあまり期待して欲しくないとアナウンスしている。
 その背景には自社で雇うエンジニアを自分達で育てたいと言う目論見が有る様で相談の必要が有りそうだと担当者から聞いた。
 どこに就職しようがこの国に住んでいてくれれば嬉しいが、我が国の国民が活躍してくれるので有れば日本に移住してくれても構わないと思っている…。

「ジョン、遠江のコンピューターシステム部門から王立大学システムエンジニア養成コースの教育環境を精査したいとの話が来てるわよ。」
「詩織さまが会社関係はストップしていた筈だが。」
「それは大学が大学として機能して行くかを見極める期間だったからでしょ、遠江大学と共に進めて来た講師マッチングシステムによってこの国に足らなかった理数系の講師を何とか出来たと判断しての申し出、詩織さまのお父さまから直々の話だからね。」
「えっ、そうなのか…、日本に行った時は娘がちっとも帰って来ないと嘆いておられたな。
 それで具体的な話も来てるのか?」
「彼は会社の責任ある立場を退いたそうで、システムエンジニアを養成して来た人達を引き連れて来て学習環境のチェックから始めたいそうよ。」
「そうか…、もう、お願いしても良い所まで来たのだな。
 彼の判断を訊けたら大学関係者も今後の方針を立て易くなるだろう。
 こちらに来られるとなると住居の手配をしないと、しかし女王陛下の父君なのだから…。」
「詩織さまに話したら、詩織さまの庭から近い所に建ててる小屋が彼の為の住居になるそうで、ご夫婦で住まわれるそうよ。」
「あそこは農機具の小屋にでもするのかと思っていたよ、もっと広い家を用意出来ただろ?」
「広いと掃除が大変なのだとか、色々持ち込むから使用人はいらないそうでね、広い庭を楽しみにしてるのだとか、部下の方々の部屋も手配済だったわ。」
「詩織さまは知っておられたのなら教えて下さっても良いのにな。」
「遠江関連で決定前のことは絶対話されて来なかったでしょ。」
「そうだな…、今回は身内の話でも有るし、で、自分達は詩織さまの父上のことを何とお呼びすれば良いんだ?」
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