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近衛予備隊-375 [高校生バトル-80]

「高校生達は色々考えているのね。
 高校は生徒の増加に伴い拠点を増やしているけど、それによってレベルが落ちないかと心配していたのよ。」
「これから小学校と中学校にして行く国立学校のレベルは年々上がっています。
 特に高校を目指している子達には活躍している先輩達の姿が見えていますし、王立騎士団や王立大学と目標が増えました。
 入学試験の面接では親に言われて受験したと話す子もいるのですが、王立高等学校に入学出来た子達は先輩との語らいの中で目標を見出して行く子が殆どで、国をより豊かにするために自分が何をしたら良いのか、それによって自分の将来がどうなって行くのかを考えています。
 受け身の姿勢では何も得られないと教えられ、彼らは自ら学ぶことの意味を考えます。
 怠惰に暮らす自由も与えれているのですが、ほとんどの子は仲間と協力しながら競い合っているのです。」
「ほとんどと言うことは脱落する子も?」
「脱落と言いますか、親元を離れた解放感からか自分の興味有ることだけに没頭してる子が何人かいると聞いています、他者に危害を加えると言ったことはしていませんので、問題ないと判断されていますが。」
「う~ん…、そんな子達がエキスパートになる可能性だってあるわね。」
「はい、高校に入れるだけの能力を持っている子達ですので、その可能性は有ります。」
「近衛予備隊が発足した頃は日本との学力格差が大きいと認識していたのだけど、今は十八歳ともなれば学力と言うより総合力でここの子達の方が勝っていると感じるわ、自分が高校生だった頃を思い出してみてもね。」
「詩織は高校生の頃から随分活躍されていたのですよね?」
「まあね、それだけに大学進学ばかりを意識してる子達に疑問を抱き、普通には大学進学せず、日本では大学と認められていない遠江大学で学ぶことにしたのよ。
 王立大学は遠江大学を上手く活用出来てるかしら?」
「はい、学生の為に講師マッチングシステムを開発して頂いて運用が始まっています。
 特にシステムエンジニアを養成するコースは、ここの講師だけでは不足気味で学生を増やせなかったので。」
「どんなシステムなの?」
「学生は登録されている講師にメールやテレビ電話で質問することが出来ます。
 但し大学から与えられたポイントを使って講師の指導を受ける形になっていまして、ポイントが無くなったら指導を受けられません。
 敢えて一人の学生が講師を頼れる回数や時間に限度を設けたのです。
 学生達はシステムがスタートすると自主的に集まり講師に質問をする内容についてミーティングを行う様になりました、そこで教え合いながら講師に何を教えて貰うかを相談しています。
 沢山教えたいと思っている講師は大勢いるのですが学生が受け身になっては行けませんので。」
「制限が有ることで工夫してるのね、そのミーティングは学生達にとって充実した学びの場となっていそうね。
 でも、ネットを利用してのやり取りだけで充分なの?」
「システムエンジニア養成に関しては問題有りません。
 学生が見ているのと同じ画面を見ながらのアドバイスです。
 他の分野がどうなって行くのかはこれからですが、遠江大学の人達の中にはこちらに住まわれている方もいますし、長期休暇の度に来てる人も、そんな方々の中から講師をお願いすることも考えています。」
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