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近衛予備隊-371 [高校生バトル-80]

 企業経営に関する学習に対して今まで力を入れて来たのは、我々の子会社でも経営陣の弱さを感じて来たからだ。
 企業体を急拡大して行く過程で労働者を雇うのに苦労は無かったが、経営を任せられる人材を集めきれたとは言えず、近衛予備隊の実習生の方が安心感が有るからと交代して貰ったことも。
 経営を任せられる人材がいれば買収したい中小企業は山ほど有り、会社経営を学ぶ高校生には少なくとも企業の管理職を目指して欲しいと話して来た。
 そんな流れから、彼らが会社経営を学ぶ簡易発電機製造販売会社が立ち上がった。
 詩織さまは彼らの事業計画に問題は無いと資本金を用意して下さったのだが。

「ジョン、簡易発電装置の生産台数が当初の予定より増え過ぎていると思うのだけど、作業に当たってる子達は大丈夫なの?」
「作業に当たってるのは十四歳前後の希望者のみ、計画的に交代しながら作業に当たっていますので特に問題ないかと、彼らは王宮の敷地内に入れるだけでも嬉しいのですよ。
 電気の知識を学び、発電装置の組み立てを体験、三週間のプログラムになっていますが、国境なき合唱団の一員として歌って行く子もいます。」
「彼らにとって作業は難しく無いのかしら?」
「装置の主要部品は輸入品、組み立て工程は簡素なのですよ。
 もう少し国産で賄えることが出来たらとは思うのですが。」
「黒字になってるのだから無理しなくても良いわね。」
「ええ、でも経営陣は大学とも相談しながら部品の国産化を少しずつでも進めて行きたいと話しています、質を下げない国産化にはほど遠いのですが。」
「色々考えているのね、高校生の経営陣は自分達の将来について、どう考えてるのかしら?」
「共和国が王国になっても、それを支える存在になりたいと話してくれています。
 この国の改革が進んだのは詩織さまの力による所だと彼らは理解していまして。」
「王国にする話は進み始めてるの?」
「今の体制に不満が有るのは随分弱体化した反政府組織の連中ぐらいです。
 大統領で有る自分が王子なのだから既に王国みたいなものだと、王国標準のインフラを望んでる国民が王国の一員になりたいと言い始めたのに火が付きそうな雰囲気なのです。」
「で、どうするの?」
「海外からの観光客が我が国を潤してくれているのは詩織の存在です。
 共和国が詩織を女王とする王国になったとしてもなんの問題も有りません。」
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