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近衛予備隊-369 [高校生バトル-79]

 通学路工事は中高生にとってビッグイベントになっている。
 普段は遠く離れた町で学んでいる高校生も交代で作業に来ていて、その世話をするのも高校生。
 それらが、ほぼスケジュール通りに進んでいるそうだから心強い。
 簡易発電には高校生のチームが加わり二十三チームに。
 それぞれが違った形を試行錯誤中で、テスト用に作られた水路には沢山の簡易水力発電機が並び、横には風力発電機が。

「シャルロット、完成した水路の通水試験をジェシカと見に行って来たのだろ、どうだった?」
「漏水は有ったみたいだけど直ぐにふさいで、水路に問題は無いと案内してくれた子が話してたわ。
 歩道もほとんど出来上がっていて水路は一番なだらかな道に沿って流れるの、全て計画図面通りにね。
 一番上に調整池が有って二十四時間ほぼ一定の水量を維持、大雨の時は所々から越水させ一気に下へ流す水路へ、何の問題も無いのかと思ったら、落ち葉などが流れを止めてしまわない様に毎日の点検が必要だそうで、水路の点検と発電データのチェックは中学生の役目になるのだとか。」
「これから順次発電機を設置し夜間照明を始めるのだろ、どうなるのか楽しみだな。」
「ええ、でも子ども達の心は夜間照明に留まってなくてね、昼間の電力をどう活かして行くか考え始めてるのよ。」
「確かに発電しても無駄になる電力だが、簡易発電だから実用的ではないだろ。」
「彼らは玩具程度なら動かせると考えていてね、ここで試してみて上手く行ったら、風力発電装置とセットであちこちに動くモニュメントを設置出来ないかって。」
「観光客を意識してるのかな?」
「観光客が楽しめるネタはどれだけ有っても良いと話してたわよ。」
「確かにな、それでその予算はどうなんだ?」
「私が出して上げても良いのだけど、大統領からとした方が何かと効果的でしょ。
 村長時代から色々頑張って来たお陰で、お金に困って無いのだから。」
「そうだな、担当と連絡を取って上手くやってくれるか?」
「ええ、動く大統領人形なんてのを考えてたから、真っ先に作って貰うわね。」
「そ、それは…、微妙だな…。」
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